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ピアノのメンテナンス

演奏の合間をぬって、博物館のメカニックがピアノのメンテナンスをしています。

ファイル 236-1.gif スタインウェイ・デュオ・アート

先週、調律を行いましたが、自動ピアノには日々のメンテナンスも必要です。毎週でも行いたいことは、自動ピアノのトラッカーバーの、バルブに詰まった埃を取り除くことです。

ファイル 236-2.gif 作業中

トラッカーバーとはピアノの正面に組み込まれている、ミュージック・ロールの孔を読み取る装置です。リプロディーシング・ピアノと呼ばれる、ピアニストの演奏を再現する自動ピアノのトラッカーバーには、ピアノの鍵盤に対応する80個の孔(鍵盤の数は88個)と、鍵盤を叩く強さを制御する孔、ペダリング制御の孔等があります。この上を音楽信号となる孔の開いたロールが通過します。トラッカーバーの孔と、ロール孔が重なったときに、孔から空気が吸引され、その空気の量をコントロールして演奏をするのです。

ファイル 236-3.gif トラッカーバー

ファイル 236-4.gif トラッカーバーの上をロールが通過しているところ

トラッカーバーの孔が詰まると、空気の通りが悪くなり、演奏の再現が正確に行われなくなってしまいます。そこで、専用の器具を使って埃などを吸い取っていきます。

ファイル 236-5.gif 埃

細かい埃がこんなにたまっていました。実は、演奏しなければこんなに埃はたまりません。常に空気を吸引する機構に問題があります。空気中の埃を吸い取ってしまうんです。またミュージック・ロールは紙に孔をあけて作られるのですが、この孔の切り口には細かい紙の切りくずが付いていて、この紙くずも常に吸い取られて、孔に詰まっていきます。

トラッカーバーの掃除用の専用器具は小さなポンプのようなものです。シュポシュポと埃を吸い取る単純な物です。一気に掃除機で吸い取りたいところなのですが、掃除機では吸引力が強すぎて、中の機構を壊してしまう可能性があるようです。

自動ピアノについてはトップページの「オルゴールについて」→「自動演奏楽器 自動ピアノ」で詳しくご説明しています。
自動ピアノについての詳細  新しいウィンドウで開きます。

ドイツのオルガン職人

今日はドイツの有名なオルガン職人のをヴォルフガング ブロンマーさんがお見えになりました。特に用事があったわけではないのですが、日本に来たからちょっと顔を見せに来てくださったのでしょう。(営業活動?)

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ブロンマーさんの作ったオルガンは博物館に2台あります。そのうちの1台はからくりの付いた大きなオルガンです。

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館長と世間話をした後に博物館のオルガンがいっぱい置いてある展示室へ。

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ブロンマーさんが一心不乱に演奏しているのは、ドイツのアンティークオルガン。実は調子が悪く良い音がでていません。「このオルガンはとっても素晴らしいオルガンだよ。僕が修理するからドイツまで送って。」って言っています。とっても気楽に言ってくれるけど、いったいどうやって送るのでしょう?いったい幾ら掛かるのでしょう? ? ?  ?    ?????
とりあえず、うちの工房で修理できるかどうかを検討してもらいましょう。昨日、ピアノの修理も終わったことですし。

そうそう、ブロンマーさんが熱心に写真を撮っていたオルゴールがあります。ストリートオルガン・グラインダー。

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流石、オルガン職人はオルガンに興味があるのですね。2006年の夏休みの自由研究で、子供向けのキットを作った話をし、お見せしたところ、売って欲しいとのこと。残っていた最後の一つをプレゼントしてみました。解説書は日本語なのですが、作れるかしら?とちょっと心配しています。

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