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ファイル 510-1.gif The Beautiful Blue Danube Waltz by Johann Strauss II Wikipediaより

ヨハン シュトラウス2世が作曲した「美しく青きドナウ」。
多分、世界で一番有名なワルツでしょう。
そして、オーストリアの第二の国歌といわれる程の人気の曲です。

オーストリアが1866年にプロセインに敗戦した際、失望の底に沈んだウィーン市民を慰める曲をと依頼され、翌年に作曲したのがこの「美しき青きドナウ」です。
依頼したのはウィーン男声合唱団の指揮者のヨハン・ヘルベックだったので、最初は男声合唱の曲でした。
なんたって落ち込んだ国民を元気にするための曲だから、歌詞もこんな感じで・・・

ウイーン子よ、陽気にやろうぜ/くよくよ嘆くは、愚の骨頂/ふところ具合が悪くとも/舞踏会で 踊らにゃソンソン!
お百姓さん、頭ガリガリ/大変な時代になったもんだ /税金納めて 懐スカスカ/お金なくても 踊らにゃソンソン!
家主さんも、頭カリカリ/どの部屋見ても空っぽだもの/なあにかまわんとばかりに/出かける先は仮面舞踏会
芸術家はうれしくも、また悲し理想の姿は長年の夢/若くてハツラツ/ご婦人たちのお気に入り
政治家、批評家の先生たちも/分別くさげに踊っているが/調子はずれで/ワルツも台無し
今日の幸せ 二度とは来ない/喜びのバラも 褪せるもの/されば 踊ろう/休まず 踊れ!

粗野で下品なこの歌の評判は悪く、まったく人気が出なかったようです。
しかし初演から3ヶ月後の1867年5月、パリの万国博の会場で、世界各国の来賓の前で、男声合唱が削除されたオーケストラ部分が演奏され、一躍人気の的となったのです。

不評だった歌詞も書き換えられました。
タイトルに相応しく「母なる川ドナウ」の美しさを歌うものになり、現代でも人気のワルツがとなったようです。

書き換えられた歌詞の和訳は・・・
ドナウはかくも青く美しく/谷や牧場を静かに流れる/ぼくらのウィーンは君に挨拶をし/君の銀のリボンは土地と土地を結ぶ/君の美しい岸辺では/嬉々として心が高鳴る

ファイル 510-2.gif 博物館のソフト収納棚

実はこの曲、博物館が管理している曲のなかで「聖しこの夜」に継いで収録数の多い曲です。
オルゴールが音楽再生装置として活躍していた時代、巷で人気の曲はオルゴールからも流れてくるようになりました。
つまり19世紀の音楽市場を賑わせた人気作曲家の曲は、オルゴールに多く残されているのです。

ファイル 510-3.gif 体感ベンチ

演奏しているのは体感ベンチに組み込まれたドイツ、ポリフォン社のオルゴール。
24 1/2インチ、約63cmのディスクを用いて演奏します。

残暑厳しい折、爽やかなドナウの風をイメージしながら、美しいワルツをお楽しみください。
 
 
 
ファイル 510-4.jpg

19世紀の人気作曲家の曲をご紹介するのが9月22日(秋分の日)に開催する「秋の特別コンサート」です。
詳しくは秋のコンサートの詳細へ 新しいウィンドウで開きます。
(コンサートではポリフォン105で演奏します。)

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