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シェフのオートマタ

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日はシェフのオートマタ。
1895年頃にフランスのルレ・エ・ドゥカン工房で作られたものです。

シェフがウォーミングパン*1とトングをヴァイオリンと弓にみたてて、音楽とともに演奏します。
台にはオルゴールとからくりが組み込まれ、オルゴールの動力を利用して人形を動かします。
手や頭以外にも、帽子や舌も動くのでお見逃し無く。
ハンサムなシェフのヘッドは著名な­人形師ジュモーの作品です。

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現在アンティーク・ドールとして人気がある西洋人形も、オルゴールと時を同じく19世紀に開花しました。
産業革命や万博などの影響を受け、パリを中心に発展し、量産されるようになりました。
ジュモー、ブリュなどの人形工房は、当時各地で開催された博覧会で金メダルを受賞し、人気に拍車をかけます。
アメリカやオーストラリアなどにも紹介され、世界中に輸出されるようになるのです。
オートマタにも、様々な種類の人形が用いられ、特にビスクドールと呼ばれる陶器の人形は人気を博しました。
ビスクドールの「ビスク」とは、お菓子のビスケットと同じく、フランス語の「二度焼き=ビスキュイ(biscuit)」が語源です。
 
 
 

*1:ウォーミングパン:真鍮しんちゅう製で長い柄のついたふた付きのフライパンのようなもの。中に燃えている石炭などを入れてベッドに入れ寝具を暖める為に使われていた。映画「パイレーツオブカリビアン」で使用人が使っていたり、マザーグースの歌の中にも登場するそうな。