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来月の母の日にちなんでタイトルにお母さんがついている曲を探してみました。
Weißt du, Mutterl, was i träumt habという曲。
訳すと「母さん、あなたが私の夢を知っているならば」という題名のようです。
 
 
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演奏は1890年代ドイツのポリフォン社のオルゴールです。
ポリフォン社は1887年にドイツで創業したディスク・オルゴールの会社です。
急速に社業を発展させ、従業員が1000人に達する大会社になりますが、1914年第一次世界大戦勃発の年にオルゴールのビジネスを終了します。

当時、ポリフォン社は直径6 1/2inchから32inchまで14種類のサイズのディスクを販売していたそうですが、今回演奏しているディスクは15 1/2インチ。
コインを入れると演奏する営業用のオルゴールで、ポリオフォン スタイル103という製品名がつけられています。

ファイル 458-3.gif ポリフォン スタイル104(19 5/8インチのディスク使用)
ファイル 458-4.gif ポリフォン スタイル105(24 1/2インチのディスク使用)

ポリフォン社の営業用のオルゴールにはスタイル103の他に104と105があります。
勝手にポリフォン3兄弟と呼んでいますが、博物館にある3兄弟はすべて1ペニー(当時のイギリスのコイン)で動きます。

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当時イギリスでディスクオルゴールが人気で、ドイツ製のオルゴールの多くがイギリスに輸出されていたようです。
20センチ以上もディスクのサイズが異なると、音域や演奏時間も異なり、同じ料金で1曲じゃ腑に落ちない感じがします。
そのために?ポリフォン社の営業用のオルゴールにはコイン1枚で1回転演奏するか2回転演奏するかを選択できる機構がついています。
ちなみに博物館のポリフォンは104と105はコイン1枚で1回転、103はコイン1枚で2回転演奏するにセットしてあります。

オルゴールのあまり知られることのない機構です。
 
 
ポリフォンで製造されたディスクのサイズ

センチインチ備考
16.5cm6 1/2inchオルゴール用
20.7cm8 1/4inchオルゴール用
24.3cm9 1/2inchオルゴール用
24.6cm9 3/4inch オルゴール用
28.1cm11 1/4inchオルゴール用
36.0cm14 1/2inchオルゴール用
39.8cm15 1/2inchオルゴール用
45.0cm17 1/2inchベル付きオルゴール用
50.0cm19 5/8inchオルゴール用
56.0cm22 1/2inchオルゴール用
62.5cm24 1/2inchオルゴール用
63.0cm25 1/4inchオーケストリオンや自動ピアノ用
71.0cm28inchオーケストリオンや自動ピアノ用
80.0cm32inchオーケストリオンや自動ピアノ用

4月の演奏会コースのピアノ曲

春の嵐で暴風雨です。
博物館の窓にも雨が激しく打ちつけて、なんだか不安になります。
今日は電車が止まりそうなので、4時半に閉館させていただきました。

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4月1日から演奏会コースで演奏するピアノ曲をご紹介します。
1920年当時のピアニストの演奏を再現演する自動演奏ピアノ、スタインウェイ・デュオアートが演奏します。
 
 
ファイル 453-2.gif エドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ
 
グリーグ*1作曲のペール・ギュント 第1組曲 作品46より 3.アニトラの踊りです。
 

ファイル 453-3.gif ヘンリック・イプセン

イプセン*2の戯曲「ペール・ギュント*3」の付随音楽として誕生。

付随音楽はオペラとは違い、劇の台本や進行に合わせ作曲された音楽で、劇や芝居を盛り上げ、様々な効果を作り出すために創作された音楽です。

演奏は、後にグリーグが管弦楽のため、この音楽の中から4曲ずつを選び、作品46と作品55の2つの組曲に改作したうちのひとつ、作品46の第3曲です。
劇の中では「アニトラの踊り」はペール・ギュントが砂漠のオアシスを訪れたとき、族長の娘アニトラと踊子達が歌い踊る場面で流れます。
 
 
ファイル 453-4.gif パーシー・グレインジャー

演奏はパーシー・グレインジャー*4
グレンジャーは自動演奏機械の開発に晩年を捧げた、異色のピアニスト。
彼が開発した電気楽器「フリーミュージック・マシーン」は伝統的な音階・拍子・和声から解放された「フリー・ミュージック」を奏でる自動演奏機械。
グレインジャーは若い頃から「鳥の飛翔のような旋律、大洋の海のようなリズム、夕暮れの空のような和声」を音楽の理想と考え、四本の紙のロールの形状にしたがって上下するバーが発振器の抵抗値を変え、スピーカーから音が出る仕組みの機械を試作していたそうです。

今回は注釈が多くなりましたが、興味のあるところだけお読み下さいませ。

つまり、ヴィルトゥオーゾ*5のグレインジャーが弾く『アニトラの踊り』は、官能的で妖艶で、どんどんと演奏に引き込まれていく魅力に溢れています。
 
 
 
 
 

ファイル 453-5.gif ペール・ギュント (ヘンリク・クラウゼン演ずるペール 1876年)

*1:エドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ:Edvard Hagerup Grieg、1843年6月15日 - 1907年9月4日。ノルウェーの作曲家。生前から世界的な名声を博した。グリーグはとても小柄であったが、生前は卓越したテクニックのピアニストとしても著名で、自作を携えヨーロッパをたびたび演奏旅行している。当時注目する人もいなかったノルウェーの民俗音楽を取り上げ、洗練させることにより、ノルウェー独自の文化を確立。国民楽派の作曲家として注目された。彼の肖像は旧500クローネ紙幣に描かれていた。
*2:ヘンリック・イプセン:Henrik Johan Ibsen 1828年3月20日 - 1906年5月23日 ノルウェーの劇作家、詩人、舞台監督。近代演劇の創始者であり、「近代演劇の父」と称される。シェイクスピア以後、世界でもっとも盛んに上演されている劇作家とも言われる。
*3:ペール・ギュント:自由奔放なペールギュントが旅に出て年老いて帰ってくるまでの物語。全5幕。落ちぶれた豪農の息子で、母と共に暮らしている夢見がちな男ペール・ギュントは、かつての恋人イングリを結婚式から奪取して逃亡する。しかしイングリに飽きたら彼女を捨て、トロルの娘と婚礼寸前まで行くが逃げ出す。純情な女ソルヴェイと恋に落ちるが、彼女を待たせたまま放浪の旅に出る。山師のようなことをやって金を儲けては無一文になったり、精神病院で皇帝になったり遍歴した後に老いて帰郷する。死を意識しながら故郷を散策していると、ボタン職人と出会うが、彼は天国に行くような大の善人でもなく地獄に行くほどの大悪党でもない「中庸」の人間をボタンに溶かし込む役割の職人だった。「末路がボタン」というのだけは御免だと、ペール・ギュントは善悪を問わず自分が中庸ではなかったことを証明しようと駆けずり回るが、トロルの王も「やせた男」もそれを証明してくれなかった。彼は最後の証人として会ったソルヴェイに子守唄を歌ってもらいながら永眠する。
*4:パーシー・オルドリッジ・グレインジャー: Percy Aldridge Grainger, 1882年7月8日 - 1961年2月20日 オーストラリア、メルボルンに生まれ、ドイツに学び、英米を拠点に活躍した往年のヴィルトゥオーゾ・ピアニスト。英国・北欧民謡の採集家で、古楽の研究も行ない、各種の編曲も手懸けた作曲家。
*5:ヴィルトゥオーソ:完璧な演奏技巧によって困難をやすやすと克服することのできる、卓越した演奏能力の持ち主に対する称賛の言葉

3月分 「チャリティ販売」と「ブタの貯金箱募金」のご報告

2012年3月のチャリティ販売についてご報告いたします。

チャリティ商品の販売の売上は7,700円。
また先月から始めたブタの貯金箱募金に寄付していただいた金額は2,095円でした。

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本日、東日本大震災義援金として日本赤十字社宛てに振込みました。
2011年5月からの総計は372,458円になりました。

皆様のご協力、心より感謝しております。
ありがとうございました。

ディスク磨き

よくよく数えたら、ディスク・オルゴール用のディスクが現在2500枚以上となりました。

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約100年前に製造されたディスクは、錆がひどくなっているものもあり、管理が大変です。
あまりに数が多く、どこから手をつけて良いのかわからないので、せめて演奏会コースや博物館コースで次回鳴らすディスクは綺麗に整備しよう!ということになっています。

1枚1枚、丁寧に錆を落とし、ディスクの突起を整え、防錆材を塗っています。

来月の演奏会コースの曲替えのため、仕上げの防錆材を塗っているところです。

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桜とインコ

今日は本当に暖かな春の日和となりました。
博物館の近所の盲学校では、早咲きの桜が満開になりました。

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写真を撮りに行ったら、ちょうど緑の鳥が桜の花を千切っては投げ、千切っては投げ!
あーーーやめてーーーー

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あいつはアフリカからアジアにかけて分布するセネガルホンセイインコの亜種で、インド南部スリランカ原産のオウムの仲間だそうです。
地元では農作物を荒らす害鳥で、嫌われ者。
そのため、その美貌のわりには安い値段で輸出され、日本にもペットとして大量に輸入されたようです。
ところが近年、逃げ出したペットたちが都市で野生化し、多数生息。
そして桜の時期になると、花ごと桜を落としてしまう、風情のわからぬ暴れん坊と化すのです。
ワカケホンセイインコは首に黒い輪があるのが特徴です。
オスは輪がくっきり目立ちますが、メスは輪があまり目立ちません。

春が来ました。

4月の演奏会コース曲目

4月3日からの演奏会コースの曲目をご紹介いたします。

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  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アートペール・ギュント第1組曲 作品46より3.アニトラの踊り 4.山の魔王の宮殿にてグリーグパーシー・グレインジャー
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプ「ファウスト」より 花の歌グノー
ミラ・エンプレスさらば恋人よティルツァー
ポリフォン Style105「トロヴァトーレ」より この恋を語るすべもなくヴェルディ
ステラ・オーケストラルグランド「魔弾の射手」より 狩人の合唱ワーグナー
シンフォニオン・エロイカ「マルタ」より 夏の名残りのバラフロートー
アメリカ・シンフォニオン「シルヴァー・フィッシュ」より マズルカ・ブリリアントケットラー
レジーナフォン滝廉太郎
ロッホマン「メリーウィドウ」より メリーウィドウ・マーチレハール
レジーナ オートチェンジャー(随時) 

4月は春をイメージし、恋や花の歌などをテーマに選びました。

 
 

ファイル 452-2.gif フロートー Friedrich von Flotow (1812年4月27日-1883年1月24日)

更に、今月ぜひ聞いていただきたいのは・・・。
ちょうど200年前の今月に生まれたフリードリッヒ フォン フロートーの曲です。
フロートーはドイツの作曲家、貴族の家に生まれ外交官の勉強をしていたのですが、音楽の才能に目覚めて進路変更、パリ音楽院で学びます。
オペラ『マルタ』で名声を得、オペラ作曲家として活躍しました。
『マルタ』は彼の生前に500回以上も上演された、人気のオペラで、初演は1847年、ウィーンのケルントナートール宮廷劇場。
宮廷生活に退屈した女官が、田舎娘マルタに扮して市場に出かけ、一年間の奉公の契約をしてしまい、そこから起きる騒動と恋の顛末を描く、笑いあり、ロマンスありのオペラです。
「夏の名残りのバラ」が人気で、日本でも「庭の千草」として歌われています。

 
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実はこの曲、もともとアイルランド民謡なので、「庭の千草」の作曲家を調べるとアイルランド民謡と書かれていることが大半です。
しかしアンティークのオルゴールに記されている「夏の名残のバラ」の作曲家は全てフロートーなのです。
オペラ「マルタ」のこの曲は、オルゴールの最盛期のヒット曲。
アイルランド民謡の「夏の名残のバラ」ではなく、「マルタ」の「夏の名残のバラ」が収録されているということがPRポイントなのでしょう。
「マルタ」はフロートーが70才の時に上演500回記念公演が行われたそうですが、初演から35年以上も大人気だった曲は、1850年代位からのシリンダーにも、1900年代のディスクにも、多くのオルゴールに収録されています。
オルゴールには当時の人気曲が収録されていたんだということを裏付けるような曲ですね。
 
 

ファイル 452-3.gif シンフォニオン エロイカ

「夏の名残りのバラ」はシンフォニオン社のエロイカでお楽しみいただきます。
アレンジの異なるディスク3枚を同時に演奏するシンフォニオン社の自信作で、深みのある演奏が楽しめます。
 

オルゴールや自動ピアノの他にも、自動オルガンの演奏やオートマタ(からくり人形)の実演を行います。

演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

インターネットのラジオで放映中

インターネットラジオで昨日から「オルゴールの小さな博物館」が紹介されています。

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聞いて楽しむアプリ『Listen!WONDERGROUND』のなかの『東京かくれんぼ』で紹介されています。
日替わりで東京の魅力的なスポットを探しに行く音のショートトリップなんだそうです。

色々なオルゴールの音色も楽しめます。
お時間があるときに是非。

東京かくれんぼ 新しいウィンドウで開きます。
(「Listen!」の隣の矢印をクリックすると音声が聞けます。)

ブタの貯金箱大作戦。

博物館の受付に募金用にブタの貯金箱を買いました。

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東日本大震災の義援金用の商品を販売してきましたが、寄付できる商品もだんだん底をついてきてしまったので、募金箱ならぬ、募金ブタを置きました。

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震災から1年、これからも、被災者の方々を応援する気持ちを忘れないでいたいと思っています。

今日から企画展が変わりました。

開催中の企画展は「明治期に渡来した西洋音楽を聴く展」「です。
(2012年3月13日(火)~5月12日(土))

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明治時代といえば、オルゴールの最盛期。
明治時代に日本で歌われ、聞かれていた西洋の曲を、当時のオルゴールや自動オルガンで紹介します。

演奏する曲は、和名が付けられ唱歌として歌われた「うつくしき」「才女」「誠は人の道」など、当時は変わったタイトルがつけられていましたが、現代ではお馴染みの曲。
その他、鹿鳴館で演奏されていた曲や、当時上演されたオペラの曲など。

日本人が最初に触れた西洋音楽を、当時歌われた歌詞と照らし合わせながら、お楽しみ下さい。
 
 
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また、篠田桃紅のリトグラフなど6点を展示しています。
オルゴールの演奏とともにお楽しみ下さい。
 

 
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レディス4

6日のテレビの取材がありました。

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ちょっとかわった博物館を紹介するコーナーだそうです。

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来週の火曜日のレディス4で放映の予定です。

レディス4のHPへ 新しいウィンドウで開きます。