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ポリフォン104 剣士の入場

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日は1890年代製作のドイツのディスク・オルゴールの演奏です。

スタイル104と名付けられた縦型(アップライト)のこの機種はドイツ、ポリフォン社のディスク・オルゴールです。
1890年代から2~30年間、つまり20世紀に入っても製造され続けたベスト・セラーズ機です。
直径約50cm(19 5/8inch)のディスクを用いて演奏します。
当時の広告に「1000曲以上が演奏可能で、どこでも人気があります。」と書かれているように、クラシックからポピュラーソングまで、様々なディスクが販売されていました。

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ケースのデザインは様々で、特に上部の飾りと前面の柱には色々なパターンがあったようです。
このオルゴールはコインを入れると演奏する営業用のオルゴールです。
ジュークボックスのご先祖さまです。
この機械はイギリスに輸出されたのでしょう。
コイン投入口には「1ペニーを入れて下さい」と表示があります。
イギリスではこのタイプのポリフォンが最もポピュラーで、多くはパブに置かれ、多くの人々に愛用されていました。

ファイル 341-2.gif Julius Fučík (18 July 1872 – 15 September 1916)

演奏曲は、チェコの軍楽隊の指揮者ユリウス・フチークの代表曲で、「剣士の入場 "The Entry of The Gladiators"」です。
私はディズニーランドのエレクトリカルパレードで最初にこの曲を聴きました。
「クラシックの曲だったの?知らなかった!」と多くの方に驚かれる曲です。
「題名は分らないけど知っている曲ランキング」などというものがあれば、きっと上位に入る曲です。
元々は軍楽隊のための行進曲だったそうです。
現在ではちょっと滑稽なイメージの入場の行進曲として、色々なところで使われています。
フチークは300曲以上の行進曲・ポルカ・ワルツを作曲し、作品のほとんどが軍楽隊のために作曲されていることから、時に「ボヘミアのスーザ」とも呼ばれるようです。