先日、サンキョー製50弁オルゴールのダンパーの話をしていたところ、接着に紫外線接着剤(UV接着剤)が使われていると聞いて驚きました。オルゴールと紫外線接着剤とがどうも結びつかなかったのです。
ダンパーとは櫛歯の振動を止めて雑音を抑える装置です。振動している櫛歯(音が出ている状態)にピンが当ると不快な音が出るため、ピンが当る直前に櫛歯の振動を止めるようになっています。とても小さなものですし、見る機会も少ないのでご存知ない方も多いと思います。
シリンダー・オルゴールの場合は櫛歯の下に付いていて(下の画像のカーブした部分)、アンティーク・オルゴールには細いワイヤーが用いられています。(初期のシリンダー・オルゴールには鳥の羽が使われていました。)
アンティーク・オルゴールの櫛歯の先端
下の画像は、現代の日本製のオルゴールに使われているダンパー。白いフィルムのようなもので、幅0.7mm厚さ0.04mmです。貼り付ける前は櫛歯の間隔に並んだ状態になっています。
サンキョー用のダンパー
これを櫛歯先端の裏側に接着するのにUV接着剤が使われています。
UV接着剤は接着剤に紫外線を照射して硬化させます。短時間で硬化することや、シンナーのような溶剤を使わないので安全などの特長があります。身近なところでは歯の治療などにも使われているようです。
アンティーク・オルゴールを修理する際は、当時と同じように金属製のダンパーを使います。左側の細長いワイヤーです。幅や厚みはいろいろな種類があり、オルゴールによって使い分けます。画像のダンパーは幅が0.3mm厚さは0.08mmです。
アンティーク・オルゴール用のダンパーとサンキョー用のダンパー
0.3mmがどのくらいかというと、オルガニートの曲譜カードの厚さと同じでした。この細い細いワイヤーをカットして加工し、櫛歯の裏側につけていくのですから、根気があって器用でないと修理は難しいですね。
オルガニートの曲譜カード
櫛歯の裏側にどのようにしてダンパーが接着されるのか気になります。アンティーク・オルゴールの予定はありませんが、サンキョー製のオルゴールは近々修理する予定なので、その時にご紹介します。