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今年はいろいろなことがありました。
来年は良い年になって、みんなの祈りが叶うように、こんなタイトルの曲にしてみました。

ファイル 428-1.gif ルイザ パイン、最初のラーリーン

演奏は「ラーリーン」より 我が祈りを聞き給え Lurline, Sweet Spirit hear my prayerです。

ファイル 428-2.gif ウォレス William Vincent Wallace

ウォレス作曲の「ラーリーン」は、1860年にロンドンのコヴェント・ガーデン、ロイヤルオペラハウスで初演されました。
ラーリーンという名の美しい美女の姿をしたライン川の精のロマンチックなオペラで、人魚姫と浦島太郎を足したようなお話。
ドイツに古くから伝わるローレライ伝説*1が元になっているようです。

ファイル 428-3.gif レジーナ フォールディングトップ

演奏しているのはアメリカ、レジーナ社のフォールディング トップです。

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このオルゴールはコレクターからCasket model(棺モデル)なんて呼ばれているちょっと変わった形のオルゴールです。
細長い形の上蓋がパタパタと開き、その上にディスクを置いて使用します。
1890年代に製作された家庭用のオルゴールで、直径27インチ(68.6cm)のディスクを使用。
この27インチとはアメリカのオルゴールでは最大直径のディスクで、7オクターヴに近い音域を持つベストセラーズ機でした。

*1:ローレライ伝説:ライン川の一番狭い部分であるローレライ付近が航行の難所で、船の座礁をローレライにたたずむ美しい少女に船頭が魅せられ、船が川の渦の中に飲み込まれてしまうと伝えられ、ローレライ伝説と呼ばれるようになりました。

めざにゅ~

今朝 フジテレビの「めざにゅ~」で博物館の「自由研究お手伝い」が紹介されました。

撮影は先週の土曜日の14時から約3時間でした。
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今日の放映は2分程度なので、テレビって本当に大変ですね。

番組ではまず、「オルゴールの小さな博物館」の紹介。
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演奏会コース で参加できる自由研究お手伝いセット の紹介。
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撮影にご協力いただいたお客様。ありがとうございました。
(本当は24日の早朝の放映のはずでしたが、引退会見で今日になりました。)
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最後にオルゴールと牛乳パックで作る「動画が楽しめる工作キット」の紹介でした。
テレビで紹介された「工作キット」は既に売り切れてしましましたが、大人用の「工作キット」は多少残りがあります。
大人用の「工作キット」は8月31日までオルゴールの小さな博物館や
オンラインショップ で販売しています。
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駆け込みで自由研究にいらっしゃる方、是非お待ちしています。
遠い昔、8月の終わりに宿題に追われた日々を思い出します。

プラクシノスコープ(プラキノスコープ)

今年の夏休みの自由研究の工作キット。
モデルにしたのはこのオルゴールです。

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これは、まだ映画やアニメが出来る前の時代に作られたオルゴールです。
私たちが知っている映画が誕生したのは今から120年位前。
1891年のエジソンによるキネストスコープ、1895年のフランスのリュミエール兄弟がシネマトグラフの登場からです。
一定の速度でフィルムを送り、それを投影するという仕組みです。
しかし、映画が誕生以前にも、様々な発見があったようです。

1830年頃に残像効果により、連続した絵を続けて見ると、まるで絵が動いているように見えることが発見されました。

博物館にも、残像効果を利用して動画を見せるおもちゃがあります。
ファイル 388-2.gif WHEEL OF LIFE 1870年代 イギリス製 

中には連続した絵が入っていて、

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周囲にあるスリットから覗くと空中ブランコの動画が楽しめます。

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応用編がこちらです。
中央に絵と同じ数の鏡をセットして、鏡に映る動画を楽しむのです。

ファイル 388-5.gif  ROUL SCOPE 1890年代 フランス製 

「プラクシノスコープ(プラキノスコープ)Praxinoscope」と名付けられました。

プラクシノスコープが発明され、程なく制作されたのがこのオルゴールです。
当時パーラーなどで人気があったようです。
記録には1878年のパリ万博や、1889年のユニバーサル万博に出展され、くつかの都市で公開されたとあります。

オルゴールの動力を利用しているので、絵を自動的に回転し、さらに音楽もついている!
アニメなど見たことのない時代の人々にとって、このオルゴールが見せてくれるのは、ひとときの夢のショータイムだったのではないでしょうか?

シェフのオートマタ

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日はシェフのオートマタ。
1895年頃にフランスのルレ・エ・ドゥカン工房で作られたものです。

シェフがウォーミングパン*1とトングをヴァイオリンと弓にみたてて、音楽とともに演奏します。
台にはオルゴールとからくりが組み込まれ、オルゴールの動力を利用して人形を動かします。
手や頭以外にも、帽子や舌も動くのでお見逃し無く。
ハンサムなシェフのヘッドは著名な­人形師ジュモーの作品です。

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現在アンティーク・ドールとして人気がある西洋人形も、オルゴールと時を同じく19世紀に開花しました。
産業革命や万博などの影響を受け、パリを中心に発展し、量産されるようになりました。
ジュモー、ブリュなどの人形工房は、当時各地で開催された博覧会で金メダルを受賞し、人気に拍車をかけます。
アメリカやオーストラリアなどにも紹介され、世界中に輸出されるようになるのです。
オートマタにも、様々な種類の人形が用いられ、特にビスクドールと呼ばれる陶器の人形は人気を博しました。
ビスクドールの「ビスク」とは、お菓子のビスケットと同じく、フランス語の「二度焼き=ビスキュイ(biscuit)」が語源です。
 
 
 

*1:ウォーミングパン:真鍮しんちゅう製で長い柄のついたふた付きのフライパンのようなもの。中に燃えている石炭などを入れてベッドに入れ寝具を暖める為に使われていた。映画「パイレーツオブカリビアン」で使用人が使っていたり、マザーグースの歌の中にも登場するそうな。

メカニカル バードケージ

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日のオルゴールはメカニカル・バードケージ。
3羽の鳥が交互に鳴くオートマタです。

生きている鳥ではありません。
剥製の鳥に機械を組み込んで、くちばしと首、尾を動かします。
動力はゼンマイで鳥かごの下に組み込まれています。

鳴き声はフイゴと笛で再現します。
フイゴで作られた風がトロンボーンの原理を応用した笛に送られ、笛につけられた管がスライドすることで音程の高低を生み出します。

20世紀前半にフランスかスイスで作られたようです。

 

メカニカル・ピクチャ

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日のオルゴールはメカニカル・ピクチャ。
額の中の絵をオルゴールが動く力を利用して動かすからくりです。

メカニカル・ピクチャは1700年代から作られていたといわれます。
初期のものは油絵で描かれた風景の時計塔の時計が実際に動いたり、時計の文字盤に描かれた絵が動いたりするものです。
動きは単純ですが、一点もののとても高価なものがほとんどです。

製品として多く作られたのは1890年代から1900年代初頭といわれています。
動かしたい部位の紙をカットして、絵の中の色々な部分を動かす楽しい額絵が販売されました。

動画はピアノを囲んでくつろぐ家族団らんの風景を再現した額絵。
赤ちゃんをあやすおじいさん、ピアノを弾くおかあさん。
お兄ちゃんが妹を叱っているように見えます。
ケース横のスタートレバーを引くと、音楽が鳴り、動く絵が楽しめます。
メーカー、製作国、製作年代は不詳ですが、1900年頃、イギリス製のものに大変よく似たメカニカル・ピクチャがありました。

バリスター

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。
ちょっとご無沙汰してしまいました。すみません。

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1900年代にフランスのファリボア工房で作られたオートマタ*1です。
ファリボア工房は1878年のパリ万博への出展を機に、オートマタの製作を手がけます。
当初はガラスドームの中で風景などを再現するジオラマを多く製作しましたが、19世紀も終わりになるとガラスドームの需要はなくなります。
1905年頃まで大型のオートマタを作製しますが、ゼンマイで動くオートマタの需要がなくなると、今度はショーウインドーに飾る電動式の人形を作るようになります。
しかし1925年、時代の流れとともに工房を閉じることになります。

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彼の職業はバリスター(法廷弁護士)。
法廷用コートに黒のシルクのガウンをはおり、膝までの半ズボン、フル・ボトムのカツラ。
彼は"クイーンズ カウンセル"の儀式用の服装を身にまとっています。
"クイーンズ カウンセル"とはイギリスの法廷弁護士。
弁護士のなかでも法廷で弁論できるのがバリスターで、バリスターの中でも一定の経験と実績のある優秀な弁護士はクイーンズ カウンセルと呼ばれます。

スイッチを入れると、両手を振り、熱弁をふるいます。
大きく開けた口、見開く瞳、打ち鳴らされた手の音が、臨場感を高めます。
彼の声が聞こえてきそうな、迫真の演説をご覧下さい。

只今、博物館コースで実演中です。

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*1:オートマタとはオルゴールの動力を利用して人形を動かす「からくり人形」

ポリフォン105 シューベルトのアヴェ・マリア

昨日、また大きな余震がありました。
皆様、無事にお過ごしでしょうか?
被災された方々や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って続けている動画の応援投稿です。
アップした動画が誰かの慰めに少しでもなってくれることを祈って投稿しました。

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このオルゴールは博物館の6階の企画展示室にあります。
1890年代製作のドイツ、ポリフォン社のディスク・オルゴールをベンチに取り付けた、体感ベンチです。
オルゴールの振動を体で感じるベンチがあったら、どんなに素敵かと思い、2003年のリニューアルの時に作りました。

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実はベンチの下は空洞で、潜り込むことができます。
ベンチの中では、上から下から横からオルゴールの音色を浴びるような感じで、至福の空間です。

今日の曲はシューベルトのアヴェ・マリア。
祈りの曲です。

Ave Maria! Jungfrau mild,
Erhöre einer Jungfrau Flehen,
Aus diesem Felsen starr und wild
Soll mein Gebet zu dir hinwehen.

アヴェマリア、慈悲深き乙女よ
おお 聞き給え 乙女の祈り
荒んだ者にも汝は耳を傾け
絶望の底からも救い給う

Wir schlafen sicher bis zum Morgen,
Ob Menschen noch so grausam sind.
O Jungfrau, sieh der Jungfrau Sorgen,
O Mutter, hör ein bittend Kind!Ave Maria!

汝の慈悲の下で安らかに眠らん
世間から見捨てられ罵られようとも
おお 聞き給え 乙女の祈り
おお 母よ聞き給え 懇願する子らを


体感ベンチは博物館コースで体験できます。
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エクリヴァン

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被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

ファイル 352-1.gif エクリヴァン
 
今日はピエロ・エクリヴァン。
博物館の演奏会コースではずっと出演し続けている人気のオートマタです。
エクリヴァンとはフランス語で「文章を書く人」。
このオートマタは何となく手足が動くからくり人形とは一線を画す、画期的なオートマタです。

ピエロがランプの灯りのもとで手紙を書いているうちに、うとうとと居眠りをしてしまいます。
やがて目を覚ますと、消えかかったランプの灯りを戻し、また手紙を書きだします。

元々は19世紀に、フランスのヴィシー工房とランベール工房で作られていたようです。

博物館のエクリヴァンはスイスのミッシェル・ベルトラン(Michel Bertrand 1928~1999)さんが1987年に製作したもので、レプリカです。
ベルトランさんは、一度来館されたことがありますが、オートマタの製作や復元の第一人者として知られる方でした。
1968年にJAF社(ヴィシー工房)を引き継ぎ、伝統的なオートマタの復元や製作を手がけていました。

博物館のエクリヴァンの手紙には何も書かれていませんが、あるオリジナルの作品には、以下のように書かれていたので、エクリヴァンが恋文を書いていたことがわかります。
(もちろんフランス語で)
「パリ、1885年、3月23日、
親愛なるコロンビーヌ。
時間は、もう、年月が分からなくなるほど早く過ぎていきます。
私も、同じように、ずっと、あなたを愛しています・・・・」

流れている曲は「月の光のピエロ」。
フランスでは子供から大人までみんな知っている民謡のようです。

オリジナル(19世紀に作られたもの)のエクリヴァンは日本で3体見たことがあります。
個人で所有されていたものが1体と、博物館や団体が持っていたものが2体です。
そのうちのひとつは京都嵐山オルゴール博物館です。
電話で問い合わせてみたところ、現在も公開中とのこと。
京都におでかけの際には是非、おすすめです。

 

ディスク磨き

ディスク・オルゴールのディスクは鋼鉄製が多く、古いディスクにはサビがついているものがたくさんあります。
そのままにしておくと突起やディスクが欠けて使えなくなってしまうので、少しずつディスクのサビ落としをしています。
 
 
右側が磨く前、左側が磨いた後です。文字を消さないよう慎重に磨いています。
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これはアメリカ・シンフォニオン用のディスクで、直径は25インチ(約63.5センチ)あります。
とても大きいので磨くのが大変ですが、きれいになったディスクをセットし、今まで聴いたことがない曲を聴くとうれしくなります。
 
 
アメリカ・シンフォニオンは1階の音楽ホールに置いてあり、演奏会コースにて隔月で演奏しています。
今月はきれいになったディスクで『デイジー・ベル』を演奏します。
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大型のオルゴールでとても豊かな響きです。ぜひ生演奏をお楽しみください。

演奏会コースはご予約なしでお楽しみいただけます。午後1時か3時までにお越し下さいませ。
演奏時間 13:00~ 15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。