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本日、閉館致しました。

オルゴールの小さな博物館は本日、2013年5月15日をもって閉館いたしました。

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閉館が決まってからというのも、多くの皆様から、続けて欲しいとの嘆願や、励まし、思い出、お礼など、お手紙やメールをいただきました。

たくさんの声をよせていただき、多くの方に支えていただいて30年間続けてこられたのだと、実感いたしました。
長い間、博物館を応援して下さり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。

まだ、博物館としてお伝えしたいこともありますので、もう少しだけホームページとブログは続けていきたいと思っています。
お時間があるときに、ご覧いただければ嬉しいです。

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コメント一覧

(05/18 21:00) 編集・削除

はじめてコメントします。先日も閉館間際に演奏会に向かいました。3回目の来館でした。閉館、さみしく思います。音楽の歴史や、違った時代に生きていてもどこか共感できる人々の思考回路など、とても楽しく勉強できました。ありがとうございます。
またときどきブログも拝見させていただきます。

ショップは明日からセール

残すところあと1週間ほど。

明日からショップの商品を一斉値下げいたします。
リュージュ商品もかなり安くしています。
早いもの勝ちです。

尚、値引き商品は返品はお受けいたしません。
また、お取り置きもいたしませんのでご了承くださいませ。

4月分 「チャリティ販売」と「ブタの貯金箱募金」のご報告

2013年4月のチャリティ販売についてご報告いたします。
チャリティ商品の販売の売上は54,000円。
またブタの貯金箱募金に寄付していただいた金額は1,211円でした。

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本日、計55,211円を東日本大震災義援金として日本赤十字社宛てに振込みました。
2011年5月からの総計は579,817円になりました。

皆様のご協力、心より感謝しております。
ありがとうございました。

ラフマニノフにつてい

ファイル 591-1.gif セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ(Серге́й Васи́льевич Рахма́нинов 1873 – 1943)

5月の演奏会コースの自動ピアノの演奏はラフマニノフ自作自演の前奏曲 嬰ハ短調。
ラフマニノフの最も有名な楽曲のひとつで、モスクワのクレムリンの鐘の音に着想を得て作曲されたといわれることから、ラフマニノフの「鐘」などとも呼ばれています。
フィギュア・スケートの浅田真央ちゃんがバンクーバー五輪の時のフリープログラムで使った曲なので、どなたも一度は聴いたことがあると思います。
 
 
 

ラフマニノフはピアノ演奏史上有数のヴィルトゥオーソであり、作曲とピアノ演奏の両面で大きな成功を収めた音楽家としてフランツ・リストと並び称される存在といわれています。
そこで、今日はラフマニノフについて、ご紹介したいと思います。

ラフマニノフはロシアの作曲家、ピアノ奏者、指揮者です。
苦学してモスクワ音楽院のピアノ科と作曲科を通常より1年早く卒業し、特に作曲は大金章という最高成績を受ける秀才。
卒業後すぐの1892年、モスクワ電気博覧会で、「前奏曲 嬰ハ短調」を初演し、熱狂的な人気を獲得、ラフマニノフの代名詞的な存在になります。
(この曲が5月の演奏曲です。)
しかし1895年に交響曲 第1番の初演を迎えますが、記録的な大失敗となり、自信を喪失し一時は作曲を断念、神経衰弱にまで陥ってしまうのです。
しかし精神科医の助けなどにより、1902年ピアノ協奏曲 第2番を自ら初演して表舞台に返り咲き、 09年には渡米、自作を演奏するピアニストとして名声を高めるのでした。

身長2メートルに達し、巨大な手の持ち主でも有名です。
12度の音程(小指でドの音を押しながら、親指で1オクターブ半上のソの音)を左手で押さえることができたと言われています。
指の関節も異常なほど柔軟であり、右手の人指し指、中指、薬指でドミソを押さえ、小指で1オクターブ上のドを押さえ、さらに余った親指をその下に潜らせてミの音を鳴らせたといいます。

ロンドンで彼のピアノ演奏に度々接した音楽評論家の野村光一がラフマニノフの演奏について下記のように語っています。

ラフマニノフの音はまことに重厚であって、あのようなごつい音を持っているピアニストを私はかつて聴いたことがありません。重たくて、光沢があって、力強くて、鐘がなるみたいに、燻銀がかったような音で、それが鳴り響くのです。まったく理想的に男性的な音でした。それにもかかわらず、音楽はロマンティックな情緒に富んでいましたから、彼が自作を弾いているところは、イタリアのベルカントな歌手が纏綿たるカンタービレの旋律を歌っているような情調になりました。そのうえにあの剛直な和音が加わるのだから、旋律感、和声感ともにこれほど充実したものはないのです。

これらアコースティック録音のほかに、ピアノロールにも演奏の記録が残されている。はじめは1本の穿孔された紙で正確な演奏を再現できることが信じられなかったラフマニノフだが、1919年にアムピコ社の最初の録音のマスターロールを聞いて、「みなさま、私はたった今、私自身が演奏するのを聞きました!」と述べたと伝えられる。アムピコのための録音は、1929年頃まで続いた。

ラフマニノフは1910年代にエジソンレコード社の「ダイヤモンド・ディスク」レコードと、その後ビクタートーキングマシン社と契約し、多くのレコードに録音を残しました。
更に、ピアノロールにも録音を残しています。
ラフマニノフは初め孔のあいた紙で正確な演奏を再現できることが信じられなかったようですが、1919年にアンピコ社の最初の録音のマスターロールを聞いて、「みなさま、私はたった今、私自身が演奏するのを聞きました!」と述べたと伝えられています。

5月の演奏会コース曲目

5月の演奏会コースの曲目をご紹介いたします。

ファイル 590-1.jpg 演奏会コース

演奏曲目

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アート幻想的小品曲集 op3-2 前奏曲 嬰ハ短調ラフマニノフラフマニノフ
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
アメリカ・シンフォニオン No.192W「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲マスカーニ
ステラ・オーケストラルグランド「ノルマ」より 聴き給えノルマベッリーニ
レジーナ フォンアトリの巣ロンギー
シンフォニオン・エロイカ「ファウスト」より ぼくの告白をあのひとに告げておくれ グノー
ロッホマン黒き汝が瞳ハインズ
ステラ・テーブルタイプランゲの花の歌ランゲ
ミラ No.197「ドン・ジョバンニ」より メヌエットモーツァルト
ポリフォン Style105アヴェ・マリアシューベルト
ポリフォン  オートチェンジャー(随時) 
ポリフォン Style104蛍の光スコットランド民謡

  
ほんとうに最後の月になってしまいました。
まだまだ実感が伴わなくて、あまり寂しくありません。
5月もスタッフ達がお勧めする「この機種ならば、是非聴いてこの欲しい曲」を選びました。

閉館が近づき、大変混雑してきましたので、通常は各月交互に演奏していた前方に置いてある大きなディスクを中心に演奏しようと思います。

25インチ(63.5cm)を使用するアメリカ・シンフォニオン No.192Wは迫力ある音を奏でます。
今回演奏するカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲は、ディスクが傷んでいるのでプログラムでは演奏した事がありませんでした。
しかし最後の2週間なので、演奏してみようと思います。
やはり人気曲、美しく響きます。

ファイル 590-3.gif ステラグランド

また、ステラグランドは26インチ(66.045cm)のディスクです。
ステラは裏に突起がないディスクを用います。
この「聴き給えノルマ」はベッリー二の書いた最も美しく、最も感動的な音楽のひとつであるともいわれる曲です。

ファイル 590-2.gif アトリ (Wikipediaより)

レジーナ フォンはオルゴールと蓄音機の兼用機です。
「アトリの巣」という曲は最初に聴いたときから、大ファンになりました。
アトリという鳥は日本には冬鳥として秋にシベリア方面から渡来する鳥。
鳥綱スズメ目アトリ科アトリ属に分類されるそうです。
この「アトリの巣」という曲、レジーナ、ポリフォン、シンフォニオンなど当時のディスクに多く見られるのですが、曲名を検索してもオルゴール以外にはほとんどヒットしないのです。
まるでディスク・オルゴールのために作られたような、ディスクの長所を最大限に表現してくれる楽しいアレンジの曲です。

アレンジの異なる3枚のディスクを同時に演奏するシンフォニオン・エロイカではオペラ「ファウスト」よりぼくの告白をあのひとに告げておくれ 。

「ファウスト」の原作はドイツの文豪ゲーテの同名の長大な物語。
オペラはフランスのグノー作曲で、第一部の「グレートヒェン悲話」の章をもとにつくられました。
悪魔に魂を売り渡して若さを手に入れたファウスト博士と、無垢なマルガレーテの恋を描く悲劇です。
ちなみにグレートヒェンとはマルガレーテの愛称です。

この曲もだんだん音が重ねられていく、エロイカならではのアレンジをお楽しみいただけます。

ファイル 590-4.gif ポリフォン105

ポリフォン105では、5月も人気のアヴェ・マリアを演奏。
4月がグノーのだったので、5月はシューベルトのアヴェ・マリア。
その他、ミラのドン・ジョバンニのメヌエット、ステラのランゲの花の歌。
お勧めの曲ばかりです。

また、リプロデューシング・ピアノではラフマニノフ自作自演の前奏曲嬰ハ短調を演奏。
ラフマニノフの最も有名な楽曲のひとつで、モスクワのクレムリンの鐘の音に着想を得て作曲されたといわれることから、ラフマニノフの「鐘」などとも呼ばれています。
フィギュア・スケートの浅田真央ちゃんがバンクーバー五輪の時のフリープログラムで使った曲なので、どなたも一度は聴いたことがあると思います。

ファイル 590-5.gif セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフ(Серге́й Васи́льевич Рахма́нинов 1873 – 1943)

ラフマニノフについてはちょっと面白そうなので、また後日。

その他、シリンダー・オルゴールやストリート・オルガンの演奏、オートマタの実演もあります。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
(土曜日は大変混雑していて、立ち見になる可能性があります。)

演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。

YouTubeの動画

閉館まで1ヶ月と少し。
博物館コースの予約がいっぱいになってしまっています。
演奏会コースをおすすめしていますが、こちらも立ち見が出る日がちらほらと。
大変混雑していて申し訳ございません。

ご予約出来なかった方や、閉館を惜しむ方から、「見られないならDVD等は売ってないの?」とのお問い合わせをいただくようになりました。
現在、展示品のDVD等は売っていないのですが、YouTubeに動画をアップしています。
実は2年程前から動画をたまにアップしていました。
しかし閉館が決まってからは、閉館後に何か残せるものを作りたいと思い、頻繁に動画を撮り、今は100以上の展示品をYouTubeで見られるようにしています。

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「オルゴールの小さな博物館」で検索すると、博物館以外がアップしたものも出てきてしまうので、検索するときは「arslonga83」で捜してください。
下記をクリックするとYouTubeのページが開きます。

YouTubeの博物館のページへ 新しいウィンドウで開きます。

お時間がある方は、是非ご覧になってくださいませ。

コメント一覧

あこ (05/01 00:16) 編集・削除

本日、初めて演奏会コースと博物館コースを堪能しました。
初心者ですが、とても解りやすい御説明で最高に楽しめました。
7Fの特別室も拝見できましてラッキーでした。
こんなステキな場所を今まで知らなかったのが残念でした。
YouTubeも良いのですが、スタッフの皆様の熱意のこもった御説明が無いと寂しいです。
直に味わえる感動が一番なので、今の形のまま、どなたか継続してくださると良いのですが、
YouTubeでは、コースでの説明も含めて、残してみてはいかがかと思いました。

スタッフY.M (05/01 12:57) 編集・削除

博物館にご来館いただきましてありがとうございます。
特に博物館コースは人数が限られていますので、お客様との距離が近く感じられ「この機種のこの良さをぜひ聴いていってもらいたい。」と思い、ついつい解説にも熱が入ってしまいます。
お客様にそれぞれの機種をご案内しながら、私達スタッフも毎回オルゴールの魅力を一緒に堪能しております。
その都度新しい発見があったり、感じ方が違ったりするので、やはり生演奏に勝るものはないですよね。
閉館は私たちも残念ですが、残り少ない期間最後まで誠心誠意努めさせていただきます。

3月分 「チャリティ販売」と「ブタの貯金箱募金」のご報告

2013年3月のチャリティ販売についてご報告いたします。
チャリティ商品の販売の売上は17,800円。
またブタの貯金箱募金に寄付していただいた金額は1,000円でした。

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本日、計18,800円を東日本大震災義援金として日本赤十字社宛てに振込みました。
2011年5月からの総計は524,606円になりました。

皆様のご協力、心より感謝しております。
ありがとうございました。

今日からスタート 「オルゴールの小さな博物館のオルゴールたち展」

今日から5月15日まで、「オルゴールの小さな博物館のオルゴールたち展」を開催します。

最後の企画展は館長コースでしか入場できなかった特別展示室もコースに含め、4つの部屋を巡ります。

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企画展示室では30年前の開館当初から活躍しているオルゴールや自慢のシリンダー・オルゴール、人気のからくり人形、珍しいチター自動演奏装置など。
 
 
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特別展示室では博物館で一番古い展示品やコレクター垂涎の珍しいオルゴールなど。
 
 
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常設展示室では最後に聴いていただきたいスタッフお勧めの曲を演奏します。
 
 
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最後はカフェにて、自動演奏ピアノを聴きながらティータイムです。
スタインウェイ・デュオアートで、ウラディミール・ホロヴィッツの演奏をお楽しみ下さい。

演奏する機種と曲目をご紹介します。

機種名製作年製作国メーカー曲目作曲者名
カリオペ No.60G1905年頃ドイツカリオペウィーン気質シュトラウス2世
ベル・ドラム付 1880年代スイスペイラードスコットランドの釣鐘草スコットランド民謡
ボワ・セレステ オーケストラル ボックス1880年代スイスペイラードバラのワルツメトラ
香水をかぐ少女1900年頃フランスメーカー不詳  
篭に入れた犬を持つ少女1900年頃フランスランベール  
スイス シャレー1880年頃スイスブレモンドラデツキー行進曲シュトラウス1世
コードフォン1900年頃ドイツコードフォン・ミュージック・ワークおもちゃの兵隊の行進イェッセル
手品師1900年頃フランスランベール  
ティードリンカー1910年頃フランスファリボア  
エクスプレッシヴ ピアノ・フォルテ1840年頃スイスルクルト&グランジェ「サッフォー」より アリア&フィナーレパチーニ
オーヴァチュア・ボックス1890年頃スイスニコール・フレール「ウィリアム・テル」より 序曲マイアベーア
グラスベル カリヨン クロック1770年頃ドイツメーカー不詳  
シリオン1895年頃ドイツシリオン メカニカル ミュージックワーク「ウィンザーの陽気な女房たち」より 序曲ニコライ
プラクシノ・スコープ1870年代スイスB.H.アブラハムズ  
キャピタル・カフボックス Style C1895年頃アメリカオットー・アンド・サンズ力の主をゲサングブッフ
歩く乙女1970年代スイスメーカー不詳  
体感ベンチ(ポリフォン105)1890年代ドイツポリフォン「ファウスト」より デュエットグノー
デュオ・アート1920年頃アメリカエオリアン13の前奏曲 作品32 第10番 & 第8番ラフマニノフ

閉館まで5月2日~4日の抽選を除いて、博物館コースが全て定員となり、ご予約が取れない状態となってしまいました。

お楽しみにして下さっていた方、申し訳ございません。
演奏会コースでもオルゴールの演奏をお楽しみいただけますので、是非、ご参加くださいませ。

博物館コースの詳しいご説明へ   新しいウィンドウで開きます。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

4月の演奏会コース曲目

4月の演奏会コースの曲目をご紹介いたします。

ファイル 584-1.gif 演奏会コース

演奏曲目

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アートラプソディ・イン・ブルー パート2ガーシュウィンガーシュウィン
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
アメリカ・シンフォニオン No.192W「小鳥売り」より ぼくのおじいさんが20歳の時ツェラー
レジーナ フォンスミレのたよりラダース
シンフォニオン・エロイカ窓辺にて(ハバリア地方の歌)ドイツ民謡
ポリフォン Style104ジョスランの子守唄ゴダール
ミラ No.167「リゴレット」より 愛する美しいおとめよ 四重唱ヴェルディ
ステラ・テーブルタイプ「ボッカッチョ」より セレナーデスッペ
ミラ No.197セレナーデシューベルト
ポリフォン Style105アヴェ・マリアグノー
ポリフォン  オートチェンジャー(随時) 

  
アンティークのオルゴールはメーカーや機種によって、各々音色に特徴があります。
柔らかな音色、透き通るような音色、濃厚な音色、凛とした音色。
また、同じ曲でもメーカーによってアレンジも異なります。

閉館まであと僅か。
4月は、いっぱいオルゴールを聴いてきたスタッフ達がお勧めする「この機種ならば、是非聴いてこの欲しい曲」を選びました。

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アメリカ・シンフォニオン No.192Wは25インチ(63.5cm)と大きなディスクで演奏します。
迫力ある大きな音で奏でるのは|「小鳥売り」より ぼくのおじいさんが20歳の時。
印象的な出だしに惹きつけられます。

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レジーナ フォンはオルゴールと蓄音機の兼用機。
レジーナでは博物館のCDのタイトルになっている「スミレのたより」を。

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アレンジの異なる3枚のディスクを同時に演奏するシンフォニオン・エロイカでは「窓辺にて」。
素朴に奏でられるメロディに、だんだん音が重ねられていく、エロイカならではのアレンジをお楽しみいただけます。

その他、ミラのシューベルトのセレナーデ、ポリフォンのアヴェ・マリアなど。
各機種の音色が印象に残る、お勧めの曲ばかりです。

また、リプロデューシング・ピアノではジョージ・ガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルー パート2を演奏。

ファイル 584-5.gif ジョージ ガーシュウィン George Gershwin (1898.9.26-1937.7.11)

ガーシュウィン自演自演のロールです。
ガーシュウィンはロシア移民の子で、アメリカの作曲家。
アーヴィング バーリンやジェローム カーンに憧れてポピュラーソングの作曲家として出発し、その後ロマン派の手法を学び、独自の音楽スタイルを確立、アメリカに根ざした作品を発表しました。

当時、デュオ・アートの製作元であるエオリアン社が新しいロールや音楽家を紹介するために出版していたピアノ ミュージックという本があります。
ガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーの記事を見つけました。

ラプソディ・イン・ブルー
ジョージ ガーシュウィンの”ラプソディ・イン・ブルー”は、これまでのジャズ表現形式を取り入れた曲の中で最も堂々とし、そしてまた最も重要な作品であるといっても過言ではない。狂詩的(ラプソディ)でありながら不調和を際立たせる、ジャズアーティストが「ブルーノート」と呼ぶ手法をふんだんに取り入れたこの曲は、正に“ラプソディ・イン・ブルー”だ。これはかつて書かれたことのない「ピアノとジャズ・オーケストラのためのファンタジアコンツェルト」である。1924年2月12日、ニューヨークのエオリアンホールで、ポール ホワイトマンの依頼により、ガーシュウィン自らがピアノ演奏を務めて初演された。アメリカ音楽に全く興味を持たない人々も、きっとこのラプソディを聴きたくなるに違いない。あらゆる見解から、これは注目に値する作品だ。この曲には躍動的な生命力と全ての人を魅了する魅力に溢れている。新奇で個性的で美しいメロディ、新しいハーモニーを作り出すアメリカジャズバンドの驚くべき技術、特筆すべきは素晴らしいリズムの工夫と操作、そして巧妙なるアレンジ、その全てを持ち合わせているのである。
 夢想的ともいえるこの繊細さをジャズ音楽にもたらすことができたのはガーシュウィンだけだと言われている。この彼の才能の一面をデュオ・アートとの合同で録音されたガーシュウィンによる輝くような見事なピアノ演奏:”ラプソディ・イン・ブルー パート2“の出だし部分、印象的で美しいアンダンティーノのテーマの中に見ることができる。この表情に富んだ美しいテーマに彼の旋律を支配する才能が表れているように、フィナーレには力強くスリリングなクライマックスを積み上げている見事な手腕が表れている。
(訳:ビルドソラ 祥子)

その他、シリンダー・オルゴールやストリート・オルガンの演奏、オートマタの実演もあります。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
(土曜日は大変混雑していて、立ち見になる可能性があります。)

演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

ぶらり途中下車の旅

明後日の3月23日の土曜日 あさ9:30から放送の日テレ「ぶらり途中下車の旅」に博物館が出演します。

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現在、企画展で展示中のエクスプレッシヴ・シリンダーが登場する予定です。
このオルゴールは、強弱をつけて演奏するオルゴールです。
なんと、シリンダーに植えたピンの角度を1本ずつ変えることで、櫛歯をはじく強さを変え、強弱をつけて演奏します。
とても細かいので、演奏中に肉眼で確認することが難しいのですが、今回はアップで撮れるレンズを用いて撮影されていたので、きっと良く分るはず。
一度ご覧になった方も、これからご覧になる方も、必見です。
(放送されると良いのですが。)

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