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【新入りの大きな発見(4)】 オルゴールは、お肌の乾燥を気にするのか

コメントを頂いた方、ありがとうございます。
返事が遅れてしまって、失礼いたしました。

それでは、本日の投稿も少しだけお付き合いください。

秋は終わった。
今朝の東京は5.7度まで下がり、冬本番が始まろうとしている。
蝉の短命にも似たキンモクセイの芳香は、鼻をクンクンしてもとっくにダメ。
だけど、新入りの嗅覚は相変わらず敏感である。

そういえば、最近、肌がかさついたり、
指先のささむくれが、気になりだした。
ハリはないが突っ張るし、ささむくれも気持ち悪い。
この感覚は、湿度計にも現れている。
館内の湿度は、最近、40~45%くらいで推移している。

新入りの私にとって、
この湿度チェックも勉強の種になる。

朝のお掃除は、湿度計チェックも兼ねる。
毎朝、指定の表に数値を書き入れるのだ。
そんな私はベテランスタッフに、
オルゴールの快適な湿度を尋ねたことがある。

すると、
「オルゴールは、人間が快適だと感じる湿度と同じだよ」

と教えてくれた。

ふむふむ、なるほど。
では、いつもオルゴールが快適であるために、
何を心がけている、というのか。
保湿クリームなんかは存在するのだろうか。

人と同じように文明の利器に頼るのである。
夏になれば、エアコンの除湿モードが活躍し、
冬になれば、加湿器をたいて、水分を適度に保つ。

入館者が増えれば、その都度調整する。
スタッフに求められるきめ細かい心遣いを学んだ。
先日も多くの来館者をお迎えし、湿度の急な上昇に驚いたところである。
70%近くに上がった。

でも、気になる。
人と同じように、オルゴールの数だけ個性がある。
急な湿度変化で木は割れ出しそうだし、金属はサビによる浸食が心配だ。
何か、特別なケアも存在するのだろうか。

だってこの時期は、加湿器を炊いても、
一度肌が突っ張ると、なかなか解消しないし、
一度ささくれると、どこまでも痛いから。

つづく

(新)

【新入りの大きな発見(3)】 あの人は幻だったのか。

プルップルップルップルッ、プルップルップルップルッ、ではない。
プルルルルル、プルルルルル、である。
“プ”が多い前者は内線電話で、“ル”が連続する後者は外線電話。

1Fの受付を1人で任されるようになった私にとって、
“プ”が多い内線電話が自分のところで鳴るたび、
「何かまたミスをしたのではないか」と不安になる。
でも、昨日の朝は外線電話がひっきりなしに掛かっていたので、安心だった。
私のために内線を使っている暇など微塵もないからだ。

それもそのはずで、クリスマスコンサートの予約が始まった。
先輩たちは、朝から臨戦態勢。
5Fの電話機も延長コードでつなげて、
4Fの事務所に直接持ってきてしまう異例の事態である。
非常階段には黒い電話線が、重力に抗うことなく垂れ下がっていた。

私は先輩の苦労を尻目にして、
いつもの朝を過ごそうとしていた。
自分の持ち場である1Fレジへ呑気に下りていった。

10:50ごろ。
私は完全に安心し切っていた。
このとき、“頭のゼンマイ”もまだ巻かれていない。

ひとりの男性が、入り口のドアを開けて中に入って来た。
「今日の午前中は博物館コースがないのに・・・・・」と
頭に浮かんだが、お断りの文言を考える間もなかった。

2Fのショップから先輩が階段で下りてきた。
なぜだか妙にかしこまっている。
先輩は、私を見た。

入ってきた男性が口を開いた。
「君が、新しく入った子だね。ブログを読んだよ」

館長だった。
初めてだった。

パンフレット記載の館長コース*1の説明を思い出した。
一体どんな人物なのか、不思議に思わないわけがない。

朝の掃除で、7F応接室の机の上のモノが微妙に動いていることは確認していた。
足を運んでいるとは推測していたのだが、現実に会えるとやっぱりうれしい。

先輩が予約を取っている間、
またしても、“大きな発見”をしてしまったのである。

プルップルップルップルッ、プルップルップルップルッ。
“プ“が多くなった。
午後からは、また内線電話が鳴った。

そういえば、館長はあれから一向に降りて来なかった。
やっぱり幻だったのか。
「社員通用口から帰って行ったよ」と先輩が教えてくれた。
次はもう少し話してみたい。

(新)

*1:「オルゴールの収集家であり研究家の館長が博物館をご紹介します。
特別展示室へはこのコースのみ。時間無制限。マニア向け。」と書いてある

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vert (11/17 16:46) 編集・削除

新人さんがんばってますね!
文章お上手で、本を読んでいるようです
クリスマスはサンタクロースになって、がんばってください

新入り (11/17 22:32) 編集・削除

ありがとうございます。
コメントをいただけると、とても励みになります。
何か気になるテーマがありましたら、お申し付けください。
リクエストをお待ちしております。

特別(ラスト)・クリスマス・コンサートとダイヤモンド富士

本日より、特別クリスマス・コンサートのご予約を開始いたしました。
ご予約が殺到し、お電話がなかなか繋がらずに、ご迷惑をお掛けいたしました。
今日からご予約状況をアップしています。

特別(ラスト)・クリスマス・コンサートの詳細はこちらをクリックしてご覧下さい。)
予約状況はこちらをクリックしてご覧下さい。)

ファイル 547-1.gif ファイル 547-2.gif ファイル 547-3.gif

一昨日、東京、西日暮里の富士見坂でダイヤモンド富士が見られたと新聞に載っていました。
博物館からも富士山が見えるので、2日遅れとなってしまいましたが、今日撮影してみました。
ちょっと山頂からはずれていますが・・・。
とても眩しくて、なかなか上手く撮影できませんでした。

特別(ラスト)・クリスマス・コンサート

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明日、11月14日午前10時30分より、特別クリスマス・コンサートのご予約を開始いたします。
ご予約はお電話、もしくはご来館のみの受付となります。
(ネットやメールでの受付はいたしません。)
そのため明日10時半以降はお電話が繋がりづらくなることが予想されますが、何卒ご了承くださいませ。

ファイル 546-2.gif

特別(ラスト)・クリスマス・コンサートの詳細はこちらをクリックしてご覧下さい。)

来年の「ひとりで参加できる館長コース」

2013年の「ひとりで参加できる館長コース」ですが、11月10日の段階では定員になりませんでしたので、10日までにご予約いただきましたお客様は、ご予約が確定いたしました。

現在2/2は締切り、3/2、4/20はいずれも残り僅かです。
以降のご予約は先着順で承ります。

ご予約確定のお客様には、今週中には、確定メールをお送りいたします。もうしばらくお待ち下さいませ。

オンラインショップ

オンラインショップもやっとクリスマスの商品をアップしました。

お勧めの新商品は、「ポップオルゴール サンタ」。

ファイル 544-1.gif 

クリスマスツリーが描かれたマッチ箱を開けると、もみの木の苗を抱えたサンタが飛び出すオルゴールです。
「ジングルベル」の音色とともにお楽しみください。

また、クリスマスアイテムのブローチもお勧めです。

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身につけると華やかで、とてもこのお値段とは思えない豪華さです。

その他、クリスマスのオルゴールやオーナメントなどご紹介しています。

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トップ画面からメニュー『クリスマス』を選ぶと更にいっぱいのアイテムをご紹介しています。

   
詳しくはオンラインショップのトップページをご覧ください。 新しいウィンドウで開きます。

【新入りの大きな発見(2)】  ゼンマイの巻く回数は機種によって決まっているのか

「マルチフォンって、何回ゼンマイを巻けばいいんですか」

1Fレジの横には黒くて大きな蓄音機がある。
目の前のガラスを覗いてみると、
青くて丸太い筒(蝋管型)が観覧車みたいに連なっている。

ファイル 541-1.jpg ファイル 541-2.jpg

手前の鉄の小さなハンドルをぐるぐる回すと、
蓄音機の中で、”観覧車”が動き出す。
時計の針を手動で合わせるように、
聞きたい番号を針にちょっとずらして持って行く。

レジ係のとき、お客さんが来ない間にこっそりと、
少しだけ回したときがあった。

ファイル 541-3.jpg

だけど、正面右の大きめのゼンマイのハンドルだけは
切れてしまうのではないか、
と不安になって、こっそり巻くのがためらわれた。

そこで、先輩にゼンマイの巻く回数を聞いてみたのである。

ちなみに、私は先輩に早く追いつこうと、
他のオルゴールの巻く回数もいくつか聞いて、
メモしてしまおうと欲張るつもりだった。

だが・・・・

「う~ん、何回かははっきりとは言えないよ。
前の人がたくさん巻いていたかもしれないし、
巻いてなかったかもしれない。
何よりも機種によって硬さも違うし。。
自分でゼンマイを巻いてみて、
ちょうどいいところを覚えていくしかないんですよ」

先輩は手慣れた手つきで、
マルチフォンのゼンマイを巻いて見せてくれた。

「こんな感じです」

と、経験ありきの世界を思い知った。

「うわぁ~、なんだか人みたいだ」
と心の中で私はつぶやいた。

オルゴールは人との出会いと同じように
思いやりをもって接することをを学んだ。
名前を覚えて、特徴をとらえる。
まるで、初めて出会う人との信頼関係を築くように。

が、

「オルゴールはね、新人が動かすと舐められることがあるんだよ」

マネージャーの言葉が、頭をよぎった。
オルゴールとの向き合い方を学んだのもつかの間。
さて、”舐められる”とはいったい何なのか。
きたる洗礼の日に備えて、ひとまず待つことにしようと思う。

(新)

【新入りの大きな発見(1)】  小さな博物館で見つける”大きな”発見

今秋から入った新入り職員です。

これから、「新入りの大きな発見」と題して、
ブログを更新していきたいと思います。

博物館にお越しになる方の手助けがほんの少しでも出来れば、
と願っているのですが、
今は仕事を覚えるのに必死で、ついつい顔がこわばってしまいます。
それでも、不器用な私を懲りずに先輩方が支えてくれます。

ホームページに足を運んで下さる方々のお力添えをいただきながら、
成長していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

私は新人なので、
このブログをご覧になっている方よりも、
オルゴールの知識も経験も、未熟です。

来館者でもなく、コレクターでもなく、
マニアでもなく、ベテラン職員でもなく、

博物館の内側にいる新入り職員が
オルゴールの小さな博物館で見つけた「発見」こそ
書くに足りうる内容だと信じて、伝えていきたいと思います。

つたない文章が続くこともあるかもしれませんが、
小さな博物館で見つけた大きな発見に
あしからずお付き合いいただければ幸いです。

(新)

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ちゅうさん (11/09 10:15) 編集・削除

頑張れ新人さん(^◇^)
期待してますよ~!!

近いうちに博物館でお逢いできるのを楽しみにしています☆

新入り (11/17 22:36) 編集・削除

ちゅうさん、コメントありがとうございます。
最初にコメントをいただけて、とてもうれしかったです。
2回目以降の気持ちの入り方が違いました。
今後の投稿でも、気になることがありましたら、コメントお待ちしております。

11月-12月 クリスマス 演奏会コースの曲目(11/13~12/15)

11月13日から12月15日の演奏会コースの曲目をご紹介いたします。
この時期は「通常の料金で楽しめるクリスマス・コンサート」
クリスマスの飾りで華やかになったホールで、ゆっくりとクリスマスの曲をお楽しみください。

ファイル 539-1.gif 演奏会コース

演奏曲目

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アートピアノ・ソナタ 第18番 K. 576 二長調より 第3楽章モーツァルトワンダ・ランドフスカ
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ポリフォンStyle104ベツレヘムの星アダムズ
レジーナ フォン「くるみ割り人形」より こんぺい糖の踊りチャイコフスキー
ポリフォン オートチェンジャー牧人ひつじをサンズ
シンフォニオン・エロイカ毎年歌うクリスマスの歌ヘンリー
カリオペ クリスマスツリー・スタンド聖しこの夜グルーバー
チャーチ・バレル・オルガン神の御子は今宵しもウェイド
ステラ・テーブルタイプロザリオネヴィン
ミラ・エンプレスロザリオネヴィン
ポリフォン Style105メサイア ハレルヤ・コーラスヘンデル

ファイル 539-2.gif ジャン=バティスト=マリー・ピエール 「キリストの降誕」
 
皆様ご存じの通り、クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝うお祭り。
そんなクリスマスに流れる曲には、クリスマス・キャロル、讃美歌、聖歌などがあります。
ちなみにプロテスタントで歌われる歌は讃美歌で、カトリックでは聖歌と呼ばれています。
最近ではクリスマス・キャロルはクリスマスを祝って歌う歌と定義されているようです。

讃美歌(聖歌)から「牧人ひつじを」「聖しこの夜」「神の御子は今宵しも」を演奏します。
 
 
ファイル 539-3.gif 「バレエ・くるみ割り人形」初演から100周年を記念して1992年に発行されたロシアの記念切手

レジーナ・フォンで演奏する「くるみ割り人形」は、チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽。
主人公クララがクリスマス・イブに体験する不思議な出来事のお話*1です。
クリスマスになると世界中の劇場で上演される有名なバレエ音楽から、「こんぺい糖の踊り」を演奏します。
 
 
その他「ロザリオ」の聴き比べや「メサイア ハレルヤ・コーラス」などオルゴールが奏でるクリスマス・キャロルをお楽しみください。
 
 
ファイル 539-4.gif スタインウェイ・デュオアート

自動ピアノでは1789年にモーツァルトが作曲したピアノソナタを演奏します。
モーツァルトの最後のピアノソナタであり、最も演奏が難しい作品といわれています。
今回はニ長調のアレグレット*2、2/4拍子でロンド形式*3の第3楽章を演奏します。

ファイル 539-5.gif ワンダ・ランドフスカ(Wanda Landowska,1877-1959)

演奏はランドフスカ。
ポーランド出身のピアノとハープシコード(チェンバロ)の奏者。
1900年にパリに移り、ピアノとハープシコードの両方の楽器での演奏活動を展開していきました。
自動ピアノへの収録活動はコンサート活動と並行して約25年にわたるとのこと。
当時ほぼ絶滅していた古楽器のハープシコードを20世紀に復活させた立役者として有名です。

演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

*1:くるみ割り人形 あらすじ:クリスマスにプレゼントされた「くるみ割り人形」。真夜中にネズミの王様と戦う人形を助けると、元の美しい王子の姿に戻り、お菓子の国に招待される。そこでは金平糖の女王や色々なお菓子が踊ってくれて、夢のような夜を過ごす。
*2:アレグレット:速度標語のひとつ。やや速く、の意。
*3:ロンド形式:ロンド(回旋)という名が示すとおり,主題(A)がエピソード(クープレともいう)を挟んで何度も回帰するところにある。ABACA(小ロンド形式)あるいはABACAB′A(大ロンド形式)が典型で,複数の異なるエピソード(B,C)をもつ。

椿山荘企画のクリスマスコンサート

椿山荘が企画したクリスマスコンサート。

ファイル 540-1.gif ファイル 540-2.gif  クリスマス・コンサートとランチのイメージ

12月7日 一回限りのクリスマス・コンサートは、椿山荘のフランス料理「カメリア」での特別クリスマスランチが付きの贅沢な企画です。

ファイル 540-3.gif 椿山荘 カメリア

日時:2012年12月7日 金曜日
料金:6,500円
内容:
   10:15  椿山荘「カメリア」 受付・会計
   11:00  「オルゴールの小さな博物館」にてクリスマス特別コンサート
   12:30  お食事 椿山荘 フランス料理「カメリア」にてクリスマス特別ランチ
   13:30頃 終了予定
定員:30名様

ご予約・お問い合わせ:椿山荘 03-3943-5489(9:00~21:00)

お料理の内容、移動手段などは椿山荘にお問い合わせくださいませ。
尚、博物館では受付は出来ませんので、ご了承くださいませ。