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Musicを更新しました & 5月の曲より 「宝石のワルツ」

5月の演奏会コースで演奏する曲。どれもお薦めなのですが・・・。ポリフォン104で演奏するワルツをご紹介します。

ファイル 224-1.gif ヨハン シュトラウス2世 (Wikipediaより)

ヨハン シュトラウス2世が作曲したオペレッタ「ジプシー男爵」のワルツです。シュトラウス2世は「ワルツ王」と呼ばれ、当時超売れっ子の作曲家でした。ディスク・オルゴールが活躍していた1900年頃と時代を同じくしていたため、ディスク曲でも人気の作曲家です。約3000枚の博物館のディスクの中で95枚もシュトラウス作曲のディスクがあります。(ちなみに2位はヴェルディの70枚、3位はグノーの62枚)

ファイル 224-2.gif 博物館のディスク収納棚

シュトラウスは生涯500曲を超える曲を作り、そのうち書いたオペレッタは16。オペレッタとは喜歌劇のことです。簡単に言ってしまうとオペラの喜劇版?オーケストラの伴奏で、台詞あり、踊りありで、基本的にはハッピーエンドの歌劇です。この「ジプシー男爵」は1885年10月24日、シュトラウスの60歳の誕生日の前日に、ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で初演されました。「ジプシー男爵」のなかでも、このワルツは「宝のワルツ」または「宝石のワルツ」と名付けられ、コンサートなどで単独でも演奏される美しいワルツです。

本日より、博物館のホームページの『Music』を更新し、このワルツをご紹介しています(トップページの右サイドメニューの一番下にMusicをご覧下さい。)

ファイル 224-3.gif ポリフォン104

演奏はポリフォン104(1890年代、ドイツ、ポリフォン社製作)。このディスク・オルゴールのディスクの直径は19 5/8インチ(約50cm)です。ディスクは1回転で1曲を演奏するのですが、わずか2分。どんなに長い曲でも、どんなに短い曲でも、この1回転に収まっています。短い曲は3回繰り返しなんていうのもありますが、長い曲は大変です。雰囲気を壊さず、良いところだけを2分間に集約します。100年前のディスク盤を作っていたアレンジャー達の努力の結晶です。

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原曲を知らないと面白みが半減してしまうので、YouTubeから見つけてきました。どうぞ、トップページの『Music』と聞き比べてお楽しみください。

ジプシー男爵(クラシック音楽作品名辞典 三省堂 より)
台本:M ヨーカイが自作の「サッフィ」によって書いた台本より
初演:1885年ウィーン
あらすじ:諸国をさすらった青年バリンカイは、土地の相続者としてウィーン郊外のジプシー部落に現れるが、ザッフィと恋仲になる。やがてスペインとの戦争で功績のあった彼は男爵位を授けられ、二人はめでたく結ばれる。

5月 演奏会コースの曲目

5月演奏会コースの曲目をご紹介いたします。

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演奏曲目

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アート愛の夢 No.3 変イ長調リストガンツ,ルドルフ
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプヘ調のメロディルビンシュタイン
ミラ・エンプレス「トロヴァトーレ」より アンヴィルコーラスヴェルディ
ポリフォン Style105「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲マスカーニ
シンフォニオンNo.192W(アメリカ)「オベロン」より 人魚の合唱ワーグナー
シンフォニオン・エロイカラデツキー行進曲シュトラウスⅠ
ミラアヴェ・マリアグノー
レジーナフォン埴生の宿ビショップ
ポリフォン Style104「ジプシー男爵」より ワルツシュトラウスⅡ
ポリフォン オートチェンジャー(随時) 

「アヴェ・マリア」などの聴きなじみのある曲からオペラの曲まで、それぞれのオルゴールの魅力を存分にご堪能いただける選曲となっております。

上記のほか、シリンダー・オルゴール、ストリートオルガンの演奏、オートマタ(からくり人形)の実演もございます。

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シリンダー・オルゴール

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ストリート・オルガン

演奏会コースはご予約なしでお楽しみいただけます。13時か15時までにお越し下さいませ。

演奏時間 13:00~ 15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

カリヨンの鐘

先週、中・高生向けの本を執筆中の方から「ビックベンの奏でる楽譜を送って」とのお問い合わせがありました。ビックベンとは、ロンドンのウェストミンスター宮殿(現在は英国の国会議事堂)に併設された時計台の鐘の愛称です。「ビックベン」とオルゴールと何の関係があるの?と思われるかもしれませんが、この鐘とオルゴールとは深い関係があります。
  

ファイル 223-1.gif Wikipediaより
 
 
時計塔につけられた時を告げる鐘は「カリヨン」と呼ばれていますが、このカリヨンがオルゴールの起源といわれています。
 
 
ファイル 223-2.gif Wikipediaより
 
 
ビックベンにも上の画像のような大きな鐘が付けられています。カリヨンなんて聞いたこともないと、おっしゃる方が多いのですが、ビックベンが奏でるメロディを聞けば、誰しもがうなずき、カリヨンを身近に感じてしまうでしょう。学校で「キーンコーンカーンコーン」と鳴るチャイムのメロディこそ、ビックベンのメロディなのです。この曲には「ウェストミンスターの鐘」という正式名称もあります。

音を聴きたい方、楽譜をご覧になりたい方はWikipediaのWestminster Quartersをご覧になってみてください。
Wikipedia Westminster Quarters」へ (日本語はこちら  日本語には楽譜もメロディもありません。)  新しいウィンドウで開きます。

ファイル 223-3.gif ファイル 223-4.gif

博物館の近所には東京カテドラル聖マリア大聖堂があって、ここにもカリヨンがあります。昔は毎週日曜日になると、カテドラルのカリヨンが鳴り、礼拝の時間を知らせていたのですが、最近は鳴っていないようです。問い合わせてみたところ「サビてしまい危険なので、15年程前から鳴らしていません。現在はCDで鳴らしています。」とのこと。ちょっと寂しい気がします。