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ピアノ・フォルテ オルゴール ハイドンの天地創造

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今日はスイス、ニコールフレール社のシリンダー・オルゴールで、オラトリオ『天地創造』より「天は御神の栄光を語り」です。

「天地創造」は,晩年のハイドンを代表する作品で,彼の作曲技法の総決算のような作品と言われています。
ハイドンは交響曲の父、弦楽四重奏曲の父などと言われていますが、研究者の間では『ハイドンのすべての創作の頂点に立つのが「四季」「天地創造」という2つのオラトリオだ」言われているそうです。
ハイドンが「天地創造」を作曲したのは、ヘンデルのオラトリオの上演を見たことがきっかけになっているようです。
貴族などからの注文で作曲することが当然だった当時、自ら作曲を手がけるということは画期的なことだったとか。
オラトリオ「天地創造」は3部構成で、旧約聖書の創世記の最初の部分の神が6日間で天地創造する過程と、アダムとイヴの物語が描かれています。
全てを演奏すると約1時間45分。
1799年、ケルントナートーア劇場で初公開され高い評価を得ました。

演奏しているのは、第一部の最後の曲で、第4日「天は御神の栄光を語り」です。

ファイル 350-2.gif Franz Joseph Haydn (31 March 1732 – 31 May 1809)

ネットを検索していると、画家のバルタザール ウィガンドが書いた水彩画というのを見つけました。
「1808年3月27日、ハイドンの76才の誕生日を祝って、ウィーンの旧ユニヴァーシティホールの「天地創造」演奏会。Aサリエリの指揮、中央椅子に座ったハイドン、その手にキスをするベートーベン、熱狂する観客。」という説明がありました。
著作権の有無が分らなかったので載せられませんが、見てみたい方はこちらから

ファイル 350-3.gif Piano Forte music box by Nicole Frere, Switzerland c.1860

演奏しているのはスイスの名門ニコールフレール社が1860年頃に製作した4曲入りのシリンダー・オルゴールです。
オルゴールには大きな音を出すための太く丈夫な櫛歯と、小さな音を出すため小さな櫛歯の2枚がセットされ、強弱をつけて演奏してくれます。

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ベル・ドラム付きオルゴール スコットランドのツリガネソウ

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ファイル 349-1.gif 釣鐘草 (http://www.awre-parish-council.org.uk/ParishInfo.htmより)

今日はスイス、ペイラード社のシリンダー・オルゴールで『スコットランドの釣鐘草』です。

原題のBlue Bells of Scotlandは、釣鐘草を見ては戦争に行った恋人を案じる娘の気持ちを歌ったスコットランド民謡です。
日本に紹介されたのは明治14年で、「小学唱歌集・初編」に掲載されました。
タイトルは「美しき」、歌詞は「蛍の光」の作詞で有名な稲垣千頴*1で、戦場へ送った息子たちを思う母親の切ない心情を歌ったものです。
日本語の歌詞は他に堀内敬三*2など、いろいろな人が訳詞・作詞をしていてます。

ファイル 349-2.gif イングリッシュ・ブルーベル Author: MichaelMaggs (Wikipediaより)
ファイル 349-3.gif スコティッシュ・ブルーベル Authors: Hans Hillewaert (Wikipediaより)

釣鐘草にはヒアシンス科ヒアシントイデス属イングリッシュ・ブルーベルとキキョウ科ホタルブクロ属スコティッシュ・ブルーベルっていうのがあるようで、この歌のブルーベルがどちらかは分らないのですが・・・。
一面に咲く青い釣鐘草を見て恋人を思うなんて、とても切ない歌詞です。

 
ファイル 349-4.gif Bell & Drum music box by Paillard, Geneva, Switzerland c.1885

演奏しているのはスイスのペイラード社が1885年頃に製作した12曲入りのシリンダー・オルゴールです。
このオルゴールにはベルが6コとドラムがついていて、ベルとドラムが愛嬌いっぱいに伴奏をしてくれます。

 
 

*1:「美しき」 歌詞:稲垣千頴(いながきちかい)
美しき わが子やいずこ
美しき わが長(かみ)の子は
弓とりて 君のみさきに
勇(いさ)みたちて 別れゆきにけり

美しき わが子やいずこ
美しき わが中(なか)の子は
太刀(たち)帯(は)きて 君のみもとに
勇みたちて 別れゆきにけり

美しき わが子やいずこ
美しき わが末(すえ)の子は
矛(ほこ)執(と)りて 君のみあとに
勇みたちて 別れゆきにけり

*2:「釣鐘草」 歌詞:堀内敬三(ほりうち けいぞう)
こみどりの 森の下かげ
ひやびやと 風がわたれば
目をさまして 釣鐘草は
風の歌に  ひとりほほえむ

鳥も来ぬ 森の下かげ
ひといろの 緑の中に
白く光る 釣鐘草は
さびしそうに ゆれてまどろむ

コメント一覧

寺岡 由美子 Eメール (06/29 12:12) 編集・削除

はじめまして

お尋ねです。 あるコンサートで「スコットランドの釣鐘草」を演奏する事になりました。 釣鐘草の映像を探していてこのページにたどり着きました。このページの釣鐘草の映像を紗幕に映して使用させて頂く事は可能でしょうか?

スタッフ A (06/30 16:36) 編集・削除

はじめまして。
ブログにお尋ねの件です。
コンサートが有料だったり、公のものであったりする場合、画像の利用料金が発生します。
また、オルゴール以外の花の画像は博物館の所有物ではありません。
各掲載サイトにお問い合わせください。

ライブレからくりオルガン 肉団子編

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今日は3月23日にアップしたライブレからくり付きオルガン の肉団子編です。
こちらは自販用のケースに入っていて、コインを入れると一曲演奏します。
博物館のショップに置かれ、レジで50円と演奏用のコインを交換して、お楽しみいただいています。

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このオルガンも7曲入りで、下記の表の曲が入っています。

番号曲目和曲名
1Z'mulle an der post水車小屋
2Freut euch des Leben人生を楽しもう(バラの枯れないうちに)
3Guggisberg Liedグッギィスベルクの歌
4Sakura
5Zürich Sechseläutenチューリッヒの春祭り(六鐘祭)
6Die Schoene Loreley美しきローレライ
7Menuett von Annegretアンネグレートのメヌエット

1曲ずつ順番に演奏されます。

 
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登場するのは、おとぎ話編でお馴染みのコウノトリと鐘を叩く人。
ビールを注ぐおじさんと団子を食べるおじさん、それを見守る女性。
その他、効果音とともにウシが啼いたり、樽から鬼が出てきたり、なんとも楽しいからくりの数々をお楽しみ下さい。

 
 

今日の午後8時30分から9時30分まで、「Earth Hour(アースアワー)」がありました。
世界中の人々が、同じ日・同じ時刻に電気を消すアクションを通じて「地球温暖化を止めたい!」という思いを示す国際的なイベントです。
計画停電を実施している日本にとっては複雑な心境となってしまいましたが、とりあえず参加していたら今日の分の応援動画のアップが遅くなってしまいました。
すみません。

レジーナ オートチェンジャー 婚礼の合唱 & カヴァレリア

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ファイル 347-1.gif Regina "Corona" Style35

今日はレジーナ社のコロナ・スタイル35の演奏をお楽しみください。

19世紀の終わり、当時大変人気のあったディスク・オルゴールの唯一の苦情は「ディスクを交換するのが面倒」というものだったのでは?
現代のCDのように1枚のディスクに何曲も曲が入っている訳ではありませんので、通常は1曲聞く度にディスク交換が必要でした。
そこで考えだされたのがオートマチック・チェンジャー機です。
レジーナ社のチェンジャー機には「コロナ(王冠)」の愛称がつけられ、3種類の大きさのディスクに対応した(15 1/2 20 3/4 27inch)商品が発売されました。
(ステンドグラスに輝く王冠をご覧下さい。)

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ケースに12枚のディスクをセットすることで、スイッチを入れれば、次々と自動的に曲を換え演奏する画期的なオルゴールです。
1899年2月に1号機が出荷され、約15年間で数千台を販売したといわれています。

そんな訳で、今日は2曲続けてご紹介します。
「ローエングリン」より 婚礼の合唱
「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲
どちらも良く耳にするクラシック曲で、オペラのなかの1曲です。
 
 
ファイル 347-4.gif Lohengrin_Braba (Wikipediaより)

「ローエングリン」はワーグナー作曲のオペラで、1850年初演。
白鳥の騎士”ローエングリン”とブラバント公国の先帝の王女エルザ姫の悲劇的恋愛を描いた作品です。
「婚礼の合唱」は第3幕の礼拝堂のシーンで歌われます。
メンデルスゾーンの結婚行進曲と並んで 結婚式定番クラシック曲 です。
 
 
ファイル 347-3.gif Cavalleria Rusticana Illustration Circa 1880 (Wikipediaより)
 
「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲。
この"間奏曲"があまりに素晴らしすぎて、後にオペラのあらすじを知った多くの人をがっかりさせてしまうという魔法?の曲です。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」は不倫のもつれから決闘に至る物語で、マスカーニによる1890年初演の約70分の短い歌劇です。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」は「田舎の騎士道」という、これもがっかりに拍車をかける意味だったりします。
 
 
電気を使わず、ゼンマイの力だけで動いています。
 

カフ・ボックス 「マルタ」より 夏の名残のバラ (庭の千草)

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今日はアメリカ、オットー・アンド・サンズ社のキャピタル・カフ・ボックスの演奏で、「マルタ」より 『夏の名残のバラ』です。

日本では「庭の千草」で知られている曲です。
この曲は、アイルランドの国民詩人として名声を博したトマス ムーアの美しい詩に、ジョン・スティーブンソンが曲をつけたものという説と、アイルランド民謡にトマス ムーアが詩を付けたという説があります。
しかし、面白いことに19世紀のオルゴールでは、ドイツの作曲家フロトーのオペラ「マルタ」*1の『夏の名残のバラ』という表記が一般的です。
つまり、作曲家のところにフロトーと書かれているのです。
それはスイスで作られたシリンダー・オルゴールでも、ドイツやアメリカで作られたディスク・オルゴールでも同様です。
きっと、当時のヨーロッパで『夏の名残のバラ』はフロトーの「マルタ」によって広まったのでしょう。

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この機種はソフトの形が変わっています。
博物館6階のソフトの棚では中央上から6段目に収納しているのですが、「あれは何ですか?」と必ずと言っていい程、質問される異彩を放った色と形などです。
アップで見てみると・・・。

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ブルーあり、ゴールドありです。
大きい方の直径約11cm、長さ約19.5cm。(タイプC)
シャツの袖のような形をしているのでカフ(cuff)と名付けられました。
アメリカのオットー アンド サンズ社がキャピタルというブランド名で1895年頃に売り出したオルゴールです。
形はシリンダーに似ていますが、カフを換えることができ、機能はディスクに似た珍しい形。
スター・ホイールを用いて櫛歯を弾く構造はディスクと同じです。
普段はディスクの裏側に隠れて見えない、スター・ホイールが櫛歯を弾く様子が良くわかります。

カフで演奏するオルゴールなので、カフ・ボックスと呼ばれるようになりました。

*1:『マルタ(正式名称:マルタまたはリッチモンドの市場)(Martha oder Der Markt zu Richmond )』は、フリードリッヒ・フォン・フロトー作曲の4幕のオペラ。初演は1847年11月25日、ウィーンのケルントナートール宮廷劇場。

ライブレからくりオルガン おとぎ話編

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今日は現代のオルガン職人ライブレさん(ドイツ)が製作したからくり付きオルガンの演奏です。
博物館コースの一番最後に登場する人気のオルガンです。

このオルガンは7曲入り。
1曲ずつ順番に演奏されます。
金の卵をお姫様がカエルに投げ与えたり、王子様がドラゴンを退治したり、鬼が出てきたり、色々なお話しが交錯するおとぎ話バージョン。
効果音とともに動くからくりは、各曲の雰囲気に合わせて動きます。
鳥が鳴く音、鐘の音、ドラゴンのうなり声などもお楽しみください。

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自動オルガンの仕組みを簡単に説明しますと。
背面のハンドルを廻すと、中に組み込まれた大きなバレルが回転します。
バレルとは大きな木製の円筒で、音楽信号となるピンが打ち込まれています。
回転するバレルのピンがキーを押し上げるとパイプに通ずるバルブが開き、フイゴに溜まった空気がパイプに送り込まれて奏鳴します。

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ちなみに、博物館のショップにはおじさんが肉団子を食べ続ける”肉団子編”もあります。
レジで50円と演奏用のコインを交換して、お楽しみいただけます。
 

ポリフォン104 剣士の入場

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日は1890年代製作のドイツのディスク・オルゴールの演奏です。

スタイル104と名付けられた縦型(アップライト)のこの機種はドイツ、ポリフォン社のディスク・オルゴールです。
1890年代から2~30年間、つまり20世紀に入っても製造され続けたベスト・セラーズ機です。
直径約50cm(19 5/8inch)のディスクを用いて演奏します。
当時の広告に「1000曲以上が演奏可能で、どこでも人気があります。」と書かれているように、クラシックからポピュラーソングまで、様々なディスクが販売されていました。

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ケースのデザインは様々で、特に上部の飾りと前面の柱には色々なパターンがあったようです。
このオルゴールはコインを入れると演奏する営業用のオルゴールです。
ジュークボックスのご先祖さまです。
この機械はイギリスに輸出されたのでしょう。
コイン投入口には「1ペニーを入れて下さい」と表示があります。
イギリスではこのタイプのポリフォンが最もポピュラーで、多くはパブに置かれ、多くの人々に愛用されていました。

ファイル 341-2.gif Julius Fučík (18 July 1872 – 15 September 1916)

演奏曲は、チェコの軍楽隊の指揮者ユリウス・フチークの代表曲で、「剣士の入場 "The Entry of The Gladiators"」です。
私はディズニーランドのエレクトリカルパレードで最初にこの曲を聴きました。
「クラシックの曲だったの?知らなかった!」と多くの方に驚かれる曲です。
「題名は分らないけど知っている曲ランキング」などというものがあれば、きっと上位に入る曲です。
元々は軍楽隊のための行進曲だったそうです。
現在ではちょっと滑稽なイメージの入場の行進曲として、色々なところで使われています。
フチークは300曲以上の行進曲・ポルカ・ワルツを作曲し、作品のほとんどが軍楽隊のために作曲されていることから、時に「ボヘミアのスーザ」とも呼ばれるようです。
 

プードルのティーパーティ

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日は1900年頃のオートマタで、プードルのティーパーティです。

これはディスク・オルゴールに付けられたちょっと珍しいオートマタ。
ハンドルを手で廻している間だけ動きます。
ケースの上には3匹のプードルがテーブルを囲んでティーパーティを開いています。
音楽に合わせてプードル達が紅茶をついだり、お茶を飲んだり、忙しく動く様が滑稽で微笑ましいオートマタです。

ディスク・オルゴールはドイツのアドラー社製。
直径18cmの比較的小さなディスクを使用しています。
アドラー社はオルゴールが廃れた後、蓄音機などの製造でも名を残すようになりました。

演奏曲は、ウェーバー作曲の[魔弾の射手」より 「花嫁の冠を編みましょう」です。
 
 

ステラ 春の歌

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと思い、昨日に引き続き、YouTubeに応援投稿しました。

ファイル 339-1.gif Stella No.168 by Mermod Frere (Swiss , c. 1900)

1900年頃に製作されたスイス、メルモド・フレール社のステラの演奏です。
この機種はスイスで機械をつくり、アメリカに輸出、アメリカ製のケース組み込んで販売していたそうです。
ステラの音色は特長的でファンの多いオルゴールのひとつです。
オルゴールに詳しい人に「ステラといえば?」と質問したら、殆どの人が「ディスクに突起がない」と答えるでしょう。

ファイル 339-2.gif 一般的なディスクの裏の突起

通常のディスクは裏を返すと図のように突起があり、これが音楽信号となります。
しかしステラのディスクは表も裏も同じ、ディスクに突起がないのです。

ここから少々構造のお話になるので、ご興味のある方のみどうぞ。まずは、スターホイールと櫛歯の関係 をお読みください。

ステラのスターホイールは一つづつバネが付けられ、台座に取り付けられています。
ディスクの孔の無い部分ではバネが押さえられスターホイールは引っ込んでいるのですが、孔が開いているところではバネにより孔から飛び出します。
そしてディスクの回転とともにスターホイールも回転して櫛歯を弾きます。

メンデルスゾーンの『春の歌』をお楽しみください。
ディスクの孔によってできる陰が素敵です。

クラウン・マジシャン

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと思って、YouTubeに応援投稿しました。

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マジックをするピエロのからくり人形です。
1900年頃にフランスのルヌー工房が製作しました。
オルゴールの動力を利用して人形を動かします。

ルイ・ルヌーは時勢を読むのが上手な商売人でもありました。
1886年からオートマタ製作に着手した新参者の工房でしたが、人気を博します。
ルヌーは当時とても高価だったオートマタの価格を下げて販売しました。
通常(35~60cm)の半分の大きさにし、からくりを簡素化することで、値段を下げることに成功しました。
この戦略が当たり、ルヌー工房では、1925年まで年間500体のペースでオートマタの製造を続けました。

これはルヌー工房の中でも大きい方のオートマタです。
美しい扇で顔を隠すとなんと!!! 
後は映像でお楽しみください。