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ドラムを鳴らすおじさんたち

現在、1F音楽ホールの演奏会コースで演奏しているシリンダー・オルゴールの『マンダリン・ボックス』(1880年頃 スイス製)。
ベルとドラムがオルゴールと合奏しますが、6個のベルのうち4個はふたりのおじさんが手を動かして鳴らし、残りの2個は蜂が鳴らしています。
では、このおじさんたちはどのようにして動いているのでしょうか?

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マンダリン・ボックスの櫛歯を見てみると、上の写真のように3枚セットされています。左右はオルゴール用の櫛歯で、中央はベルとドラム用の櫛歯です。
どこが違うかというと、左右の櫛歯は長さが少しずつ違っています。これは音の高さを変えるためです。
一方、中央の櫛歯は長さが同じです。打楽器を鳴らす櫛歯はオルゴールの音を出さないので、長さを変える必要がないのです。ここの櫛歯を弾くと連動してベルやドラムのバチが動いて音が出ます。おじさんの手や首はベルを鳴らす時に一緒に動いています。

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ところでこのおじさんたち、どこの国の人に見えますか?
実は中国人です。中国の宮廷官吏をマンダリンと呼ぶことから、このようなオルゴールはマンダリン・ボックスという名が付けられました。
よく南米の人に間違えられますが、当時のスイスではこのようなイメージだったのでしょう。

実はここにもアンティーク・オルゴールが!

ミュージアムショップに素敵な机があります。
ファイル 245-1.gif2Fミュージアムショップ

ショップでお客様に試聴していただくとき、この机の上にオルゴールを置いて演奏を聴いていただくと、「ここに置くと音がいいわ。」とおっしゃいます。
実はこの机、アンティーク・オルゴールなのです。

ファイル 245-2.gifレジーナ・ミュージカル・デスク 1914年 アメリカ製 レジーナ社

机の上部が開き、直径50cmのディスクをセットして演奏します。
右側にはスタートレバーがあり、その横にはゼンマイ用のハンドルがあります。
ディスク収納部があるため、左側の引き出しはダミーです。(ディスクが50枚も収納できるそうです。)
オルゴール用の機械のため、右側の引き出しの一番上も飾りになっています。
実際に引き出しとして利用できるのは、右側の引き出しの下2つです。
1Fでこのオルゴールのポストカードを販売しております。(1枚105円)

一見すると、オルゴールとは全く気づかないオルゴール。1900年代を過ぎた頃、アメリカで多く作られました。
このほかにも蓋を閉めるとライティングデスクの家具のようにみえるオルゴールもあります。
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アメリカ・シンフォニオンStyle106 1900年代 アメリカ製 シンフォニオン・マニュファクチュアリング
こちらのオルゴールは6月中、演奏会コースでお聴きになれます。

家具がオルゴールになっているなんて、とても贅沢で優雅なことですね。

演奏会コース
演奏時間 13:00~ 15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

ショップでのレジーナ・ミュージカル・デスクの演奏は行っておりません。あしからず。

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ちゅうさん (06/12 00:48) 編集・削除

ビックリ!!

いつも見ているテーブルがオルゴールだなんて、全然わかりませんでした(≧∇≦)

アンティーク調でいいテーブルダナーって思っていたくらいです☆

今度お邪魔した時は、ゆっくりと拝見させていただきます☆

漫画の中に一部登場

講談社が発行するモーニングの増刊号『モーニング・ツー』に連載中の『Fantasium(ファンタジウム)』という漫画をご存じですか?
最近の連載のなかでオルゴールやオートマタがふんだん取り上げられています。
作家の杉本亜未さんは、博物館の館長コースにまで参加され、勉強されていたようです。

5月22日発売の「モーニング・ツー」の中には、スタッフが見ると「あそこの展示品!」と一目でわかる場面がいくつか出てきます。
面白いので漫画のカットと同じ角度から写真を撮ってみました。
 
 
7F特別展示室のラジオハウスとセミヘリコイダル
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1F音楽ホールのロッホマン・オリジナル
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漫画の中には、その他ピエロ・エクリバンやシンギングバードも登場。

ファイル 244-5.gif ピエロ・エクリバンの絵

ネットで調べてみると主人公の少年マジシャン、長見 良(架空の人物なのに・・・)のサイトがあったり、ブログがあったり、ファンの多い作品のようです。

(ちなみに、博物館はストーリーや史実については全く関知していません。)

講談社 モーニング7月2日号増刊(5月22日発売) モーニング・ツー 杉本亜未 『Fantasium(ファンタジウム)』
漫画の画像については講談社さんに掲載の許可をいただいています。

トップページのミュージックを更新しました。

今日からトップページの右側にあるメニュー『Music』の曲目を更新しました。

今回はロベルト シューマン生誕200年を記念して、シューマン作曲の「トロイメライ」です。


ファイル 243-1.gif Robert Alexander Schumann 1810/6/8-1856/7/29

シューマンはショパンと同じ年。残念ながら人気のショパン生誕200年ばかりが目立ちます。純粋な音楽家であったショパンと、指の怪我のために音楽評論家、作曲家の道を歩んだシューマンとは対照的なふたりです。実はシューマンはショパンの才能を最初に見出した人物です。無名のショパンの演奏を聴いたシューマンは、音楽評論の雑誌に「諸君、帽子をとりたまえ、天才だ」と絶賛しました。しかし、音楽を文学的に表現するシューマンからの賛辞は、ショパンにとってはあまり歓迎するべきことでは無かったようです。

多くのピアノ曲・歌曲を作曲したシューマンは、ドイツ・ロマン派を代表するひとりです。批評活動も行い、ショパンやブラームスを紹介しました。



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演奏曲はシューマンの代表作の一つ『トロイメライ』です。全13曲の小曲から構成される『子供の情景 作品15』の第7曲。トロイメライ(Träumerei)はドイツ語で「夢想」。子供ののための曲ではなくて、大人の回想の曲です。



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演奏は1890年代に製作されたステラNo.84です。ステラはスイスのシリンダーの名門メーカーのメルモド・フレール社がディスク産業に進出して誕生したオルゴールです。機械部分のみを製造しアメリカに輸出し、アメリカでケースに入れられステラというブランドで販売されました。音色に特長があり、ファンの多いオルゴールとしても知られています。 

来週のお誕生日の200年を記念して、是非シューマンの『トロイメライ』をお楽しみ下さい。

また、只今開催中の企画展「リクエストできるディスク・オルゴール展」 のステラのリクエスト曲にトロイメライがあります。実際の音色を聴いてみたい方は、博物館コースでリクエストしてください。

夏休みの自由研究

ホームページで、次回の企画展『自動的に楽器を演奏するものたち展』と『夏休み自由研究お手伝い』の詳細をアップしました。

今年の『夏休み自由研究お手伝い』の工作キットのモチーフになったオルゴールのご紹介です。

博物館では毎年、アンティーク・オルゴールの楽しい動きを参考に、簡単にできる工作キットを販売しています。今年は『ショーケース・ボックス』をモチーフに、牛乳パックで作るからくりオルゴールを販売します。

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スイッチを入れるとオルゴールの演奏とともに、ショーケースの中で、兵士が行進します。1885年頃にスイスのB.H.アブラハム社が製作しました。オルゴールは8曲入りで、ケースの中にベルがひとつ隠されていて、リンリンとたまに涼やかな音色を聴かせてくれます。このようなからくり付きのオルゴールはお店のショーウィンドウなどに置かれ、客寄せに使われていたようです。

YouTubeに動画をアップしましたのでお楽しみ下さいませ。

「夏休みの自由研究お手伝い」の詳細へ  新しいウィンドウで開きます。

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ちゅうさん (06/06 10:51) 編集・削除

待ちに待った。夏休みの工作が発表されましたね(^人^)

楽しみで~す☆
工作を造るのは、子供に戻った感じで、とても楽しいです(^◇^)

夏休み(毎日が夏休みですが・(泣))の宿題(誰に出すのかな?)が出来ました☆

今から楽しみにしています☆

有難うございます☆

゜Q゜

スタッフ Asu (06/08 12:31) 編集・削除

前回いただいたコメント「夏休みの自由研究」はどうした?のプレッシャーに打ち勝って、やっと試作品が完成しました。
今後、ちょっとした動作不良や、メンテナンスができるような工夫などを盛り込んで完成品を目指します。また作り方も制作中です。
どうぞお楽しみに。
いつも読んでいただいて、ありがとうございます。

今日の読売新聞夕刊に博物館が掲載中です。

本日の、読売新聞の夕刊に掲載されています。
癒しをテーマにしたコーナーで、オルゴールの楽しみ方を館長が指南するという趣旨の記事だと思います。(まだ読んでいないので・・・)ご興味がある方は是非。

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ピアノのメンテナンス

演奏の合間をぬって、博物館のメカニックがピアノのメンテナンスをしています。

ファイル 236-1.gif スタインウェイ・デュオ・アート

先週、調律を行いましたが、自動ピアノには日々のメンテナンスも必要です。毎週でも行いたいことは、自動ピアノのトラッカーバーの、バルブに詰まった埃を取り除くことです。

ファイル 236-2.gif 作業中

トラッカーバーとはピアノの正面に組み込まれている、ミュージック・ロールの孔を読み取る装置です。リプロディーシング・ピアノと呼ばれる、ピアニストの演奏を再現する自動ピアノのトラッカーバーには、ピアノの鍵盤に対応する80個の孔(鍵盤の数は88個)と、鍵盤を叩く強さを制御する孔、ペダリング制御の孔等があります。この上を音楽信号となる孔の開いたロールが通過します。トラッカーバーの孔と、ロール孔が重なったときに、孔から空気が吸引され、その空気の量をコントロールして演奏をするのです。

ファイル 236-3.gif トラッカーバー

ファイル 236-4.gif トラッカーバーの上をロールが通過しているところ

トラッカーバーの孔が詰まると、空気の通りが悪くなり、演奏の再現が正確に行われなくなってしまいます。そこで、専用の器具を使って埃などを吸い取っていきます。

ファイル 236-5.gif 埃

細かい埃がこんなにたまっていました。実は、演奏しなければこんなに埃はたまりません。常に空気を吸引する機構に問題があります。空気中の埃を吸い取ってしまうんです。またミュージック・ロールは紙に孔をあけて作られるのですが、この孔の切り口には細かい紙の切りくずが付いていて、この紙くずも常に吸い取られて、孔に詰まっていきます。

トラッカーバーの掃除用の専用器具は小さなポンプのようなものです。シュポシュポと埃を吸い取る単純な物です。一気に掃除機で吸い取りたいところなのですが、掃除機では吸引力が強すぎて、中の機構を壊してしまう可能性があるようです。

自動ピアノについてはトップページの「オルゴールについて」→「自動演奏楽器 自動ピアノ」で詳しくご説明しています。
自動ピアノについての詳細  新しいウィンドウで開きます。

ドイツのオルガン職人

今日はドイツの有名なオルガン職人のをヴォルフガング ブロンマーさんがお見えになりました。特に用事があったわけではないのですが、日本に来たからちょっと顔を見せに来てくださったのでしょう。(営業活動?)

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ブロンマーさんの作ったオルガンは博物館に2台あります。そのうちの1台はからくりの付いた大きなオルガンです。

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館長と世間話をした後に博物館のオルガンがいっぱい置いてある展示室へ。

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ブロンマーさんが一心不乱に演奏しているのは、ドイツのアンティークオルガン。実は調子が悪く良い音がでていません。「このオルガンはとっても素晴らしいオルガンだよ。僕が修理するからドイツまで送って。」って言っています。とっても気楽に言ってくれるけど、いったいどうやって送るのでしょう?いったい幾ら掛かるのでしょう? ? ?  ?    ?????
とりあえず、うちの工房で修理できるかどうかを検討してもらいましょう。昨日、ピアノの修理も終わったことですし。

そうそう、ブロンマーさんが熱心に写真を撮っていたオルゴールがあります。ストリートオルガン・グラインダー。

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流石、オルガン職人はオルガンに興味があるのですね。2006年の夏休みの自由研究で、子供向けのキットを作った話をし、お見せしたところ、売って欲しいとのこと。残っていた最後の一つをプレゼントしてみました。解説書は日本語なのですが、作れるかしら?とちょっと心配しています。

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音の匠の取材 季刊雑誌「アナログ」

季刊雑誌の「アナログ(analog)」より、「音の匠」と「音の匠特別功労賞」についての取材をお受けしました。

「音の匠」とは日本オーディオ協会が音に貢献した人に贈る賞で、昨年の12月4日のブログでご紹介していますが、昨年は当博物館のメカニックが「音の匠」、館長が「音の匠特別功労賞」をいただきました。

今回は、「音の匠」の追跡取材だそうです。

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当館のメカニックはまだまだ自分は発展途上、賞をいただくのは早すぎると、授賞については遠慮がちで、この話題を好みません。

でも、いろんな展示品をしっかり治してくれています。
今日は、3月16日のブログでご紹介していた、自動ピアノの修理がとうとう終了しました。写真はアクションを車に積み込み、自動ピアノをお預けしている「ウディプラザ」さんに運ぶ準備をしているとこです。

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音の匠の記事は、季刊「analog」 NO.28 2010.summer(音元出版)の連載企画MISSING LINK「オーディオと 近くて遠い楽器物語」に掲載される予定です。

6月 演奏会コースの曲目

6月の演奏会コースの曲目をご案内いたします。

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演奏会コース

演奏曲目

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アート「タンホイザー」より 夕星の歌ワーグナー(編曲:リスト)ラペ・エルネ
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプ「タンホイザー」より 夕星の歌ワーグナー
ミラ・エンプレストリニティの鐘ローゼンバーグ
ポリフォン Style105「悪魔のロベール」より シシリエンヌマイアベーア
ステラ・グランド乙女の祈りバダジェウスカ
シンフォニオン・エロイカ「ホフマン物語」より 舟歌オッフェンバック
アメリカ・シンフォニオンカイロの道ソーントン
レジーナフォン酒・女・唄シュトラウスⅡ
ロッホマン蛍の牧歌リンケ
レジーナ・オートチェンジャー随時  

タンホイザー(とワルトブルクの歌合戦)は、1845年にドレスデンで初演されたワーグナー作曲の全3幕のオペラです。
現在でも「序曲」や「入場の行進曲」、今回選曲した「夕星の歌」などはよく単独で演奏されています。
オルゴールにはタンホイザーの曲が多く、上記の3曲に加え「巡礼の合唱」もあり、当時人気だったことが伺えます。
6月は「夕星の歌」をピアノとオルゴールで演奏します。
ピアノで約4分ほどの曲を、オルゴールでは約1分の曲に上手にアレンジされています。

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ステラ・テーブルタイプ           スタインウェイ・デュオ・アート

その他シリンダー・オルゴール、ストリートオルガン、オートマタ(からくり人形)の実演がございます。
5月18日の企画展の変更に伴い、演奏会コースのオートマタの入れ替えも行いました。
現在は手紙を書くピエロを含む4体の実演を行っております。

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 ミルク缶の中の子猫 1920年 フランス製 ルレ・エ・ドュカン工房
 お化粧する少女 1890年 フランス製 ランベール工房
 バリスター 1900年 フランス製 ファリボア工房
 ピエロ・エクリバン 現代 ミッシェル・ベルトラン作

演奏会コースはご予約なしでお楽しみいただけます。午後1時か3時までにお越し下さいませ。

演奏時間 13:00~ 15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。